【2025年】Yakumoの活動まとめ -作曲編-
先日のDJ出演まとめに引き続き、本記事では今年制作した楽曲のまとめを書いていきます。

まず今年あった大きなこととして、Signal:200Xという同人サークルを立ち上げました。自分のソロ活動を行うにあたって、主に各リリースの管理や他者様とのやり取りを明確にするためと、CD制作やM3などに出展する際にサークルという体裁があった方が何かと便利なためですね。「現実チャンネルのナコン」とか「上海アリス幻樂団のZUN」とかそういう感じで。ちなみに読み方は"二千エックス"です。少々ネガティブな理由ではありますが、結局自分自身がどこのコミュニティにも所属しきれなかったので、しばらくは独り身でコツコツ活動していこう…というのも理由の一つであります泣。
さて、今年はそんなサークルでのリリースを中心に、複数枚のCDをリリースすることができました。下半期は毎月SoundCloudを更新したり、念願の1stアルバムもリリースできたりと、自分にしてはかなり精力的な活動が継続できたかなと思います。自分は作曲自体よりもCD作りが好きなので、リリース毎に振り返っていきます。
- 1.First Contact [春M3]
- 2.SAMPLEX REVIVEHOLE [秋M3]
- 01. Yakumo - Signal:200X
- 02. Yakumo - Take It Easy
- 03. Yakumo - Just Little Funny
- 04. Yakumo - Fruity Aqua Field
- 05. Yakumo - You Like It, and I also...
- 06. nice - 机の上アンビエンス
- 07. Yakumo - 42=42=564
- 08. Tsushimada - Condemned to be Hard
- 09. Yakumo - Good Bay
- 10. Aki Sz - iH8u
- 11. Yakumo - Helvetica [SAMPLEX Rework]
- 3.V.A. - BreakStation: Rave Side
- 4.V.A. - X-CLA 03
- 5.V.A. - Mixture vol.4
- おわりに.通年の振り返りとか来年の目標とか
1.First Contact [春M3]

個人サークルSignal:200Xの0作目としてリリースした、Yakumoと弟のDJ Cant't ripで作ったスプリットEP。個人でのプレスCDの制作やM3の出展が初めてだったので、半年後のアルバムリリースを見据え「0作目」という扱いにした。アートワークもV4LNIK氏による力強くもラフな質感が映える作風で仕上げてもらい、試作機的な雰囲気を出してもらった。
コンセプトとして兄弟で愛してやまないトレーディングカードゲーム『デュエル・マスターズ』にインスパイアされたHardcoreが多く収録されており、タイトルは全てデュエマのカード名から取られている。またFirst Contactというタイトルは2011年に新章デュエルマスターズとして発売された同名のパックから。なお、内容は必ずしもデュエマに直結しているわけではないので、デュエマを知らない人でもHardcoreのCDとして楽しめる。
01. DJ Can't rip - Crystal Destiny
昨年から新たに始まったシリーズ『デュエルマスターズ LOST』ネタのJ-CORE。DJ Can't ripが曲を作るときは、まず彼がネタや原案を出し全体を軽くスケッチ、その後Yakumoのフィードバックや添削を受けて完成という手順を踏んでいる。余談だが、彼は自分よりもアニリミやBootlegが好きなようで、当初DJ○○(任意のアニメキャラ名)という名義でリリースしようとしていたので自分が制止、現在の名義で妥協することとなった。キャントリップというのはカードゲーム用語の一種。
02. DJ Can't rip - Master of Revolution
「プライド革命チェンジ」という言葉遊びから生まれた、弟が初めて作ったJ-CORE。ドラムや諸々のフィルインにFunkotのサンプルを使用しており軽快な感じになっている。ちなみに楽曲中のセリフは『デュエル・マスターズ VSRF』から取っており、主人公が相棒のハムスターを涙ながらにカレーパンに調理しラスボスを倒して世界を救う、というシリーズ屈指の感動シーンとなっている。(←?)
03. Yakumo - RIOT 5000GT
初出はLost Frog Productionsよりリリースされた『新しいフォルダー (10)』から。タイトルにもなっている大好きなカードの、スマホ版ゲームでのボイスをサンプリングしたBrazilian Phonk。元々、これが弟とアイデアを出して完成させた最初の楽曲で、せっかくならデュエマネタでCDを一枚作ってみよう、ということで本企画がスタートした経緯がある。
04. Yakumo - Toberu Tsubasa
このリリース用に書き下ろしたHardtek。空をテーマに、Flight to Mumbaiを中心にサンプリングを重ねるスタイルで制作した。この頃から「本当のサンプリングってなんだ」みたいな命題をずっと意識していて、その時に起こった筋肉痛の状態のままアウトプットしたような曲になった。タイトルは名前も効果もかっこよすぎるカード《飛ベル津バサ「曲通風」》から。
05. kjp - 月光の伝説
いつも対戦の相手になってもらったり一緒に大型大会に参加したりしている、Hardstyleプロデューサーのkjpさんにゲストコンポーザーとして参加してもらった。《月光の伝説》というカード名と、同じカードタイプが持つ固有能力「オシオキムーン」が、サンプリングされたムーンライト伝説と「月に代わってお仕置きよ」というセリフにそれぞれ奇跡の嚙み合いを見せている(そもそもデュエマの方がセーラームーンを意識している?)。Hardstyleのマスタリングは初めてだったので、普段とは異なるアプローチが求められ大変だった記憶がある。
2.SAMPLEX REVIVEHOLE [秋M3]

活動を重ねてある程度やりたいことや表現が固まってきたので、このタイミングで念願のアルバムをリリースすることにした。既存曲は自分が特に気に入っているものを選定、一部ブラッシュアップを施し、そこに書き下ろし楽曲とゲストコンポーザーによる楽曲を加えて計11曲が収録された。
アルバムタイトルのSAMPLEXはサンプリング + コンプレックスの造語。また、この時点からタイトルの表記フォーマットを統一することにした。
01. Yakumo - Signal:200X
初収録は二年前にリリースされた『新しいフォルダー (7)』より。そのままサークル名にもした楽曲で、アルバムのイントロ兼サークルのサウンドロゴ的な役割を担っている。当時のままだと音圧が高すぎたので、アルバムに収録するにあたってマスタリングでラウドネスを下げるという普段やらないことをやった。
本楽曲に顕著だが、自分の曲は早回し感を大事にしていることが多いので、アルバムの楽曲の大半は80%くらいの速度で聴いても違和感が少ないように意識している。
02. Yakumo - Take It Easy
活動初期よりお世話になっていたサークル「インターネットやめないで」からリリースされた『Nodal Rhythm』に提供した、LOVE & JOYネタのJ-CORE。中盤のサンプリングは某有名実況者の声帯から発されたブレーキ音を刻んでいる。J-COREらしいキックからガバキック、Frenchcoreキックと変遷し、自分を構成する音がふんだんに使用されている。
03. Yakumo - Just Little Funny
アルバム用に書き下ろした少し楽しくなるHardtek。Amen 4 TeknoやJungletek Mafiaなどを聴き込んで制作、DJでも使いやすい王道の展開を意識した。自分の初リリースが『平成エクスプローラー EP』だったこともあり、こういうインターネットネタも定期的に作っていきたい。
04. Yakumo - Fruity Aqua Field
マリオカートwiiのネット対戦時の待期BGMをサンプリングしたHardtek。Frutiger Aero的世界を意識しており、Atmospheric D'n'BやOrbcoreが好きだったのでそういう音楽の要素と四つ打ちをいい具合に混ぜ込んだ。
元々は海外のレーベルからリリースされる予定だったのが、頒布するイベントが諸事情で延期になってしまったとのことで、レーベルオーナーの厚意によりアルバムに先行収録させてもらえることになった。来年にはリリースの予定があるそうなので、その時に再度チェックしてもらえれば幸いだ。
05. Yakumo - You Like It, and I also...
二年前に作った、ネット上の一本のボイスドラマを下敷きにした楽曲。元ネタや不純な動機で制作した関係上詳しく触れることは憚られるのだが、自分の中ではかなり大切にしている一曲。DJでも使いやすいようにイントロ、アウトロを追加して収録した。BPMの関係上、自分で使う機会がほとんどないのが残念だ…。
06. nice - 机の上アンビエンス
楽曲を提供していただいたゲストコンポーザーは、それぞれアルバムにおける異なる役割で自分に足りない要素を補完してもらう目的で選定させていただいたのだが、niceさんには自分と近いサンプリングの意識を感じて声をかけさせていただいた。ひとつひとつの音の置き方が非常に細かく、四つ打ちというオーダーにもしっかりと応えていただいてさすがといった感じ。
サークルの方針として基本的には200BPM周辺のHardcoreに焦点を当ててリリースを継続していく予定だが、CDの中に数曲こういう比較的遅めの楽曲も飛び道具的な役割で収録をしていきたい。
07. Yakumo - 42=42=564
アメリカのレーベルRaveStation Recordsの新譜『BreakStation: Rave Side』のために制作した楽曲。もともと夏にリリースを行う予定だったということで、こちらもレーベルのご厚意で同時期の収録を許可してもらった。楽曲については後述する。
08. Tsushimada - Condemned to be Hard
毎度ハイクオリティな楽曲をリリースし、レーベルへの提供や公募の合格などもこなすプロデューサーでもあり、以前よりお世話になっている自分のサークルの先輩でもあるTsushimadaさんに本格的なHardcoreを提供してもらった。
相変わらず高品質なサウンドで、TsushimadaさんがいるおかげでHardcoreのCDとしての完成度や説得力がグッと上がった気がする。Tsushimadaさんは普段Twitterのアカウントで二次イラストを延々RTするストイックな運用を行っているので、ぜひフォローしてください。
09. Yakumo - Good Bay
アルバムに一曲くらいFunkotを入れたいなーと思い、活動初期の頃に作ったMEGAMIX in SUMMERという曲をリメイクするつもりで制作した。『君と僕。』というアニメのネタを中心にいろいろ混ぜている。ちなみにタイトルは自分の好きな配信者の語録から取っており、ずっと"Good Bay"というタイトルで曲が作りたかったところに今回ぴったりと合ったものができた感じ。
現地のノリを踏まえた「本格さ」を意識したので、お手本通りの構成で尺が8分あったり、メロディックなだけじゃないダンサブルな四つ打ちパートがあったりする。また自分なりのこだわりとして、Funkotは最初から198BPMで作るという初期からの決まりがある。
10. Aki Sz - iH8u
自分と近いシーンにいる方の代表として、以前より活躍し続けているAki Szさんに楽曲を提供していただいた。『ナースウィッチ小麦ちゃん』ネタを中心にRave、Funkot、Tranceと自分の好きな要素をふんだんに盛り込んだ一曲になっていてすごい。
自分より少し上の世代の方々にも曲を聴いてもらえたり協力してもらえたりするのは本当にありがたいことですね。
11. Yakumo - Helvetica [SAMPLEX Rework]
以前自分のコンピレーションで出した曲をブラッシュアップして再録した。『日常』ネタの声ネタカットアップから野崎りこん - 50077 gecs feat. 冴島さなぎへと繋げ、後半にはメルトのサンプリングも盛り込んである。単純なアニメ賛美としてではなく、「アニメを見る自分」を意識させるようなメタ的視点による表現を目指している。
3.V.A. - BreakStation: Rave Side

アメリカのレーベルRaveStationと、メキシコのMAD BREAKSという二大レーベルがコラボしたメモリアルアルバムにRaveサイドとしてYakumo - 42=42=564という楽曲で参加させていただいた。
オールドスクールな感じが欲しい、というオーダーをいただいたのでCyndium Recordsからリリースされているガバを意識しながらRave、シンセカットアップ、サンプリングという感じの曲に仕上がった。『ソウルイーター』のサウンドトラックから複数サンプリングしており、タイトルは同作品の暗号から。
4.V.A. - X-CLA 03

韓国の同人サークルMAD MIND MACHINEからリリースされているコンピレーションX-CLAシリーズに参加。
サンプリングを多用したHardtekがテーマということで、ブックオフでたまたま見つけた『神様ドォルズ』のサウンドトラックが良かったのでそこからサンプリングを施し、全体としてはベースドロップ系のHardtekになった。Bind Shadowというタイトルはデュエル・マスターズの一枚制限カードから、主人公たちが村の因習に囚われ続ける姿に重ねた(タイトルに困ったらデュエマのカードから取ればカッコよくなることに気付いた)。
MAD MIND MACHINEは本シリーズと姉妹アルバムE-LIPを半年ごとにリリースを重ねていて、同じサークルを運営する者としてキャパシティ凄いな…と思っている。自分も精力的に頑張っていきたい。
5.V.A. - Mixture vol.4

自分が所属している学生団体である楽曲制作会KMMが毎年リリースしている部員のリミックス盤に、Tsushimada - Want My Love (Yakumo Remix)で参加。今回自分のアルバムのゲストコンポーザーとして参加していただいたこともあり、少しでもTsushimadaさんの宣伝になればと思い制作した。
元々170BPMの"あの頃のJ-CORE"だった原曲をYakumo的キックベースに乗せて200BPMにアレンジ。基本的にほとんどの音を打ち込み直したが、自分史上最高レベルで音が良いと思っているのでぜひ聴いていただきたいです。
おわりに.通年の振り返りとか来年の目標とか
今年はありがたいことに複数のレーベルからお誘いをいただいたり、同時にアルバムのリリースも行ったりと、自分のやりたいことがほんの少しだけできるようになってきてようやくスタートに立った気分です。またM3ではいつも来てくださる方、初めてブースに立ち寄ってくれた方などたくさんの方がいらしてくれて、とても励まされました。本当にありがとうございました。
はっきり言って自分はDTMが全然好きじゃないし向いてなくて、冗談抜きに三日に一回のペースで「もう辞めよう…」と思ってるし、頑張って作った曲は全然聴かれてないし、進捗を見せ合う友達は一人もいないしで本当に何度も心が折れかけているのですが…過去に自分に期待をかけてくれた人たちのことを裏切りたくない一心でなんとかしがみついています。来年も引き続き自分なりに頑張っていくので、応援していただければ幸いです。
来年も基本的には個人サークルからのリリースをメインに行っていく予定ですが、生活の環境が変わる都合で春M3は一旦お休みをいただく予定です。(すみません!)その分、複数のサークルやレーベルから提供した楽曲がリリースされる予定なので、ぜひそちらの方チェックしていただければと思います。
目標としては、秋M3には再びサークル出展する予定なのでそこで2ndアルバムを出すことです。作曲に関してまだまだ納得のいっていない部分も多いので、とりあえず3つくらいアルバムを出すまではこのままのペースを維持したいですね。それから、できればもっと数字を付けること。どんなに自分の中で満足のいくものができても、それ相応の数字が無かったら説得力もシーンへの貢献もないのかな…と思っているので。(苦しい)
本記事は以上になります。2026年もYakumoとSignal:200Xをどうぞよろしくお願いします。それではよいお年を!
[S2XD-005]
執筆:Yakumo
執筆日:2025/12/31
【2025年】Yakumoの活動まとめ -DJ編-
なんか、一年はあっという間ですね。年末には必ず書いている一年の活動のまとめを今年もやっていきます。DJと作曲でそれぞれ分けており、本記事はDJ編となります。

2025年は延べ14のイベントに出演させていただきました。都内の大小さまざまなクラブはもちろん、韓国遠征や夜の廃校での出演など、とても貴重な経験をたくさんさせてもらいました。本当にありがとうございました。これからも僕を必要としてくれている人がいる限りどこまでも飛んでいく所存です。
それでは時系列順に振り返っていきます。
- 01.Thoughost 5th Anniversary Special Online Party [01-04]
- 02.from 2002 [02-02]
- 03.Hardcore Association 03 [02-14]
- 04.NerdAtTek [03-07]
- 05.DIGITAL OFFLINE meets げんちょうけん [03-08]
- 06.GOOD NIGHT vol.38 [03-28]
- 07.桜逢祭~Graduation~ [04-05]
- 08.DISTORTED CITY FRENCHCORE Day [05-12]
- 09.SMILEVIDEO [06-07]
- 10.Local Point vol.17 [06-30]
- 11.OTOMAD [08-10]
- 12.TEKNIC 8 [09-26]
- 13.The Frenchcore Connection 04 [10-25]
- 14.MITA OVERGROUND [11-21~24]
- おわりに.今年の総括と来年の抱負
01.Thoughost 5th Anniversary Special Online Party [01-04]

今年初めてのDJは、中国の音楽レーベル"Thoughost"の五周年を記念したオンラインパーティでした。昨年の夏に頒布したコンピレーションに楽曲を提供したご縁での出演だったので、その曲を中心にTrance, Hardtek, Frenchcoreを混ぜたセットを行った。
今年は自分の活動方針として「ブレない」をかなり意識していたので、ここから最後のイベントまで90%以上が200BPM周辺の四つ打ちで一貫している。なんでも見境なくやるのではなく、「YakumoのDJを見に行けば早いのが聴けるだろう」という一種のブランディングをしていこうと決意を固めたスタートでした。
なお、自分がThoughostに提供したYakumo - 天獄が収録された『KAKUSATSU SHOUJO 3』はBandcampでも絶賛配信中です!改めてみると変なタイトルの曲ばっかりでヤバい。
02.from 2002 [02-02]

二月二日に2002年生まれの22歳達が集まって開催されたイベント。地味に初のCircus Tokyo出演でした。この日はJ-CORE, ガバを中心にややオールドスクールなセットで臨んだ。自分で作ったトラックとかUSAO - Extra Mode [2014]とかが刺さってて嬉しかったのを覚えている。
改めて見ると同年代に凄いアーティスト達がたくさんいるな~…。たくさんの勇気をもらったと共に、自分ももっと精進せねば…と思った一日だった。
03.Hardcore Association 03 [02-14]

Sabjekt氏が主宰するハードコアオンリーのイベント"Hardcore Association"の第三回に出演。SPゲストにフランスからBillxが来日ということで、日本で彼のDJが見れることが素直に嬉しかった。
このイベントで自分にできることを考えた結果、漢の190BPM Hardtekオンリーのセットで挑戦。今のスタイルよりも少し前のBillxが好きな人に捧げるDJだった。やっぱBillxといえば190だよな!?
イベントの内容としては、DJ Sharpnel氏がまさかの自曲中心のJ-COREセットで本当に食らった。Billxの直前でThe power of undergroundとかかけてるんですよ!?そこからBillx、Savage Statesと本格的ハードサウンドが続き…あの瞬間だけは本当に「ワールドスーパーテック対戦」、あるいは「Otakuspeedvive」が蘇ったようで、過ぎ去りし時間を追体験できたような気がした。自分はこういうJ-COREの在り方が、一番かっこいいと思ってるんだよな。
04.NerdAtTek [03-07]

ここからYakumo韓国遠征編です。まず海外渡航に至った経緯なのですが、現地に我々を呼んでくれたlazyNEET氏とは昨年彼が阿佐ヶ谷Driftに来ていたときに知り合いました。また、奇怪電波俱楽部氏のイベントDIGITAL OFFLINEが韓国で開催されるということで、何度かお世話になった縁もあり日本陣営の代表のひとりとして付いて行くことに。人生で一度も海外に行ったことがなかったので、今回のためにパスポートを取得しました。

飛行機も五年以上ぶりとかに乗りましたね。日本を出るのが初めてでかなり不安な気持ちもありましたが、向こうに着いてからはlazyNEET氏を中心にたくさんの現地の方々にとても良くしていただいて安心しました。
今日の会場 @ 1nfinity club ‼️
— Yakumo // ꜱɪɢɴᴀʟ:𝟤𝟢𝟢x (@yakumo_sgn) 2025年3月7日
雰囲気サイコー pic.twitter.com/E3Gt27vc4A
NerdAtTekはそんなlazyNEET氏が主宰する、その名の通りNerd, Tekno中心のイベント。会場はソウルの1nfinity clubで行われたのですが、かなりディープな場所で本当にテンションが上がった。
この日は本場のHardtek, Frenchcoreを中心に、ところどころ自曲や日本の楽曲を混ぜたセットでガッツリ一時間やらせてもらった。日本のHardtek受容の在り方やネタモノを差し込む感じが少しでも伝わっていれば幸いだ。韓国陣営はSANY-ON氏が渋めのTeknoを回しつつ、Dalgona.氏やrlaghcks氏の愛を感じるJ-COREセットをプレイするなどそれぞれの個性が出ていた。日本よりもコミュニティが比較的小さい分、細かなジャンルの壁はなく広く「サブカルチャー」としてひとまとまりになっている印象を受けましたね。
1nfinity clubのイベントはどれも目を引くものばかりでフライヤーを眺めているだけでも面白いので、ぜひインスタなどをチェックしてほしいです。
05.DIGITAL OFFLINE meets げんちょうけん [03-08]

韓国遠征編、二発目はDIGITAL OFFLINEと現地のげんちょうけんがコラボしたイベント。日本からはYakumoの他にnegimiso、suleiman.jp、yaginiwa、映像で殺人DJアギト、そして主宰の奇怪電波俱楽部が参加した(敬称略)。自分はソロでのDJの他にsuleiman.jpとのユニット「㍻インターネットやめろ流星群」でも出演。一夜に二度DJした。
今日の現場今まででいちばんヤバい pic.twitter.com/FAuRU1oRN5
— Yakumo // ꜱɪɢɴᴀʟ:𝟤𝟢𝟢x (@yakumo_sgn) 2025年3月8日
場所はH.aiコミュニティ。ビルの屋上に建てられた小屋のような場所にあって、ガチすぎる内装もあってオタクの隠れ家的雰囲気があった。ここでDJさせてもらえることが素直に嬉しかった。
この日は素直に自分を表現することに重点を置いたセットで出演。現地の人々に自分を知ってもらうつもりで臨んだ。当日の様子はすべてH.aiのYoutubeチャンネルで確認できるのでぜひ見てください。
㍻:4:35:00から、Yakumo: 7:39:00から
韓国遠征の総括ですが、日本と比較的文化圏が近いということもあり、たくさん好きな音楽を共有できて嬉しかったというのがまずありました。自分たちの好きなものが国境を越えて愛されているということを実感できて本当に勇気をもらいました。なお、現地シーンの在り方は電波さんが詳細な記録を残しているので、こちらがとても参考になります。
また、現地の方々には付きっきりで市内の名所や美味しい食事を案内してもらい、特にコミュニケーションのトラブルや旅先で嫌な思いをすることもなく、無事に初の国外遠征を遂げることができました。もう感謝してもしきれません。改めて深く感謝します。今回の旅で得た刺激や恩は、今後の活動に還元する形で皆に返していければと思います。頑張るぞ!

デジオフのみんなが確かにそこに居た証。
06.GOOD NIGHT vol.38 [03-28]

Migeru氏が主宰するパーティGOOD NIGHTのシークレットイベントに「㍻インターネットやめろ流星群」で出演。出演者も開催場所も秘匿された状態で行われたイレギュラーな回。
GOOD NIGHTは毎回とても国際色豊かなパーティで、外国のアーティストやDJが出演していたり、イベント中は外国語がたくさん飛び交ったりしている。そんな空気の中で我々の㍻ネタが受けるのか…と不安だったがいい具合に盛り上がってくれてよかった。そんな当日の様子はなんとGOOD NIGHTのオフィシャルチャンネルで視聴可能!J-COREが世界をつなぐとこを見てくれ!
サムネがちょっと恥ずかしい///
07.桜逢祭~Graduation~ [04-05]

奥多摩の廃校を丸ごと貸し切って行われたオールナイトイベント。DJブッキングに協力している阿佐ヶ谷Driftの指名を貰って、㍻コンビで出演。オーガナイザー同士の真剣な会議で自分たちに声をかけることが決まったらしい。本当にありがとうございます。

当日現場に行ってみて、本当に何もない場所で驚いた。また廃校は当時の内装がほとんどそのまま残っていて、教室ごとにフロアがあるイメージ。他にもフードの販売や卓球スペース、ラジオ放送などがあったりして、まるで本物の文化祭のようだった。

イベント全体としてはクラブDJからアニソンDJ、VRDJまで本当に様々なコミュニティから演者が集まっていて、それぞれのタイプごとに流れる曲や盛り上がるポイントが全然違って、いつも行くイベントとは全く別の新しい刺激を受けた。同時に自分たちの音楽やカルチャーを外の視点から改めて見つめ直すことができ、一歩引いた視点からの良さを発見するきっかけにもなった。
㍻のDJはいつものJ-COREを中心にしつつ、ハイパーや奇抜な曲も差し込んでDriftで受けた刺激をそのまま返還する気持ちで臨んだ。㍻はネタモノオンリーでDJするためのユニットなのだが、知ってる曲をみんなで聴いて盛り上がるだけでなく、その根底にあるクラブミュージックとしてのカッコよさやダンサブルな気持ちよさが少しでも伝わっていれば幸いだ。イベント中、suleimanさんがずっと文化祭の準備に乗り気じゃないタイプの不良男子みたいな態度だったのが面白かった。自分は実行委員とか割と率先してやるタイプだったから教室の装飾とか手伝ったりしてた。

近場に「八雲神社」があったので行ってみたが、本当に何か化けて出てきそうなただならぬ雰囲気があった。
08.DISTORTED CITY FRENCHCORE Day [05-12]

毎回サブジャンルを定めて定期開催されている "DISTORTED CITY" のFrenchcore回に出演。オープンしたばかりのクラブIV AKIHABARAでの初DJとなった。
この時に明確に「自分はサンプリング・ミュージックとしてのFrenchcoreをやろう」と意気込んだのを覚えていて、そこから例のクソ長い解説記事に繋がっていくことになった。イベントでは自分だけでなく出演者全員が各々の信じるFrenchcoreをやっていて、このジャンルの持つ底抜けな可能性を垣間見た。ド平日なのが信じられないくらいバイブスの高い一日だった。
09.SMILEVIDEO [06-07]

阿佐ヶ谷Driftの目玉イベントのひとつ"SMILEVIDEO"に、昨年に引き続き㍻コンビで出演。今回はイベントの大トリを任され、この日はずっと緊張してた気がする。
でもそういう時にこそユニットの仲間がいると心強いですよね。suleimanさんがブースの横で激しく動きながらVJしてくれてるので僕も毎回勢いを出すことができてます。
ちなみに、この日のために作ったのがYakumo - Just Little Funny (少し楽しくなるHardtek)で、そこから少し手を加えた後にアルバムへと収録することとなった。
10.Local Point vol.17 [06-30]

学生団体WasedaMusicInnが企画して行われている定期イベント "Local Point" に出演。頭Barは今年の夏ごろに閉店してしまったので、これが最初で最後の出演となった。
この日はフライヤーに倣ってAerialでRaveな雰囲気が感じられるようなHardcore, Trance, Nightcore中心のセットでDJをした。自分はこういうジャンルを指定しないイベントに出ることも多いのですが、「久々に早いのが聴けて良かったです」と言われたことが何よりもありがたかった。
MuicInnも自分が知った頃よりもだいぶ世代交代が進んでいる感じを受けたが、この団体独特の雰囲気やセンスがそのまま受け継がれていてやっぱりかっこいい集団だなと思った。
11.OTOMAD [08-10]

韓国遠征でもお世話になったH.aiコミュニティによる日韓交流?配信イベントに㍻コンビで出演。その名の通り音MADがテーマのイベントということで、自分たちは声ネタがカットアップされたJ-COREなどを中心に、あくまで自分たちの音楽を崩さない姿勢で臨んだ。
個人的にはRadium - Art is nasal (The Speed Freak Remix)の部分がお気に入りで、こういう曲を音MADの視点から聴かせられたのが嬉しかった。今回は後付けということで、suleiman.jpによる映像も一段と気合が入っており見応え十分。
このイベントでカンナムスタイルが本当にめちゃくちゃ擦られてて、韓国の人たちって我々の想像する何倍もカンナムスタイルがネタとして好きなんだな…と思った。
12.TEKNIC 8 [09-26]

VRCにて定期開催されているHardtekオンリーイベント "TEKNIC" の第八回に参加。実に一年半ぶりのVR出演となった。
60分も持ち時間を貰ったので自分にとってのHardtekをガッツリとやった上で、最終的にはHommarju - light prayer feat.MAKI [SPEED アニメトランス BEST 9] に "到達" するセットを組んだ。またFL studioを使ってVJっぽい映像をリアルタイムで付けたりしていた。
SoundCloudに課金した記念に当日の音源をアップロードしたので、ぜひ作業用のお供にお聴きください。
13.The Frenchcore Connection 04 [10-25]

第一回からもう何回もお世話になっている国内最大級のFrenchcoreオンリーイベントに今年も参戦。自分はFrenchcore Greed Trailersとのお二人と一緒にB2Bでの出演となった。
SPゲストにはオランダからD'ortが来日。前回で本場フランスから始祖Radiumを呼んだうえで、今回はオランダの新進気鋭のアーティストという真逆のアクターを呼ぶというのは、あえてこういう言葉を使うのですが、Frenchcoreを日本にconnectionするイベントの方針として「正しいな」と思った。
「良いイベント」というのを定義するうえで当日のバイブスやカルチャー・交流の場としての貢献、お客さんの入り…など大事なことはいろいろあると思うのですが、自分としてはそのイベントの持つ「説得力」もかなり大事だなと思っています(特にジャンルなどを指定するイベントは)。その点TFCCは国内陣営も古今東西あらゆるFrenchcoreが得意なDJたちが集まっていて、ベテランもいれば今勢いのある新人もいたり…本当にTFCCがあってくれて良かったなと思っています。Frenchcore、最高の音楽でワロタ。
14.MITA OVERGROUND [11-21~24]

自分が所属してる学生団体、音盤旋回同好会の一員として学祭イベントに参加。四日間ぶっ通しで開催していてエグい。今回はYakumo, 友人のsAlon, Wataruと組んだユニットオーバーバーストストリームで参加。コンセプトとしては各々が信じるタイプの「J-CORE」をひたすらぶつけ合うというスタイル。ちょうどこの頃MIDIコンを買ってResolumeをいじるのにハマっていたので自分はDJをやりながらVJも担当した。
明日はDJやりながらちょっとだけ映像も流すぞ🔥 https://t.co/NHzXQ1mCZL pic.twitter.com/MPULdBieKF
— Yakumo // ꜱɪɢɴᴀʟ:𝟤𝟢𝟢x (@yakumo_sgn) 2025年11月23日
最近はAssembleというコミュニティを中心に学生DJ同士の交流が盛んに行われていて、彼らのパワーを感じますよね。コロナ禍での断絶を考えると、本当に良い流れが来ているなと思います。
おわりに.今年の総括と来年の抱負
前述しましたが、今年はクラブから遠征、配信イベントなど本当に様々な場所にお世話になり、感無量でした。一方でDJを始めてから数年経って、ようやく自分の中にブレずに通すことのできる一貫したものを用意できつつあるのかなと思います。こういうその人がDJとして積み重ねてきたものも先で言った「説得力」に直結してくると思っているので、これからも自分の信じるものを継続できたらなと思います。
…まあ今受けているDJの案件ひとつもないんですけどね泣。アルバムも出したことだし、来年はどこかで初のライブセットとか挑戦してみたいですね。個人サークルも立ち上げたことだし、活動の一環としてまたイベントも主催できたらなと思います。ただイベントの企画って金銭的にも精神的にもめちゃくちゃ大変なので、本当に「もう、自分がやるしかねえ!」みたいな謎の使命感が芽生えないとなかなか重い腰が上がらないんですよね。気長に待ってもらえればと思います。その分、やるときには全身全霊をかけてイベントを作るので。
改めて今年Yakumoを呼んでくれた方々、そして何より自分のDJを見てくれたみなさん、本当にありがとうございました。来年も引き続き頑張って参りますので、どうぞよろしくお願いします。
[S2XD-004]
執筆:Yakumo
執筆日:2025/12/30
普通に、今年見て良かったアニメの話とかしたい
こんにちは。最近長文のお堅い文章ばかり書いていたのですが、本当はもっとラフな感じの文も書きたいんですよね。ということで今回は普通に、今年見て良かったアニメの話とかします。

さて、今年は割と時間に余裕があったということもあり、アニメ視聴に対するモチベーションが比較的高い状態が続いていました。最近アニメのファンコンテンツ企画へのお誘いをいただいたり、それに際して好きなアニメの話をする機会があったりなどしたので、自己紹介も兼ねて今年見て良かったと感じたアニメを紹介しようと思いました。
あらかじめ言っておくのですが、自分は「今期のアニメは~」みたいなリアルタイムな追い方はあまりしてません。その日の気分で好みのアニメを探したいというのと、SNS等での評価を受けてバイアスのかかった状態で視聴をしたくないというのが主な理由です(そんなのは、音楽だけでたくさんだ)。ご了承ください。
前置きは程々にしてさっそく書いていきます。今回は10作ほど選出しました(だいたい自分が見た順)。なるべくジャンルも散らしています。
01.ソ・ラ・ノ・ヲ・ト [2010]

いきなり15年前のアニメですみません。放送当時流行ってたらしく周回遅れ感半端ないですが、とにかく今年入って割とすぐに見たソ・ラ・ノ・ヲ・トがぶっ刺さって「今年はアニメの年にするか…」みたいな気持ちになった気がする。
戦争の果てに文明が衰退した世界を舞台に、片田舎の軍事基地に配属となった少女「空深カナタ」の日々を描くおおむね一話完結型の作品。とにかく作中の雰囲気が気に入りましたね。自分は視聴中に噴出したドーパミンの量で作品の良し悪しをあまり決めないのですが、その点本作は終盤を除き特に大きな出来事は起こりません。しかしだからこそひとつひとつの繊細な描写が光って見え、しみじみとした良さを感じます。

個人的に一番好きな、主人公たちが要塞として使用している前文明の廃校を探索するシーン。電気の無い世界だからこそ、室内に差し込む外の光との明暗が美しい。
SNSをチェックした感じ賛否両論あるみたいですが…とりあえず僕は基本的にこういう静かな作品が好きですね。音楽は激しいやつばっかり聴いているのに不思議だ。
あらすじ(全てU-NEXTから引用):
打ち捨てられた廃墟で、 迷子になった少女は、ひとりの女性兵士に出会う。 兵士の手には金色に輝くトランペット。 「軍人さんになれば、トランペットが吹けるんだ!」 ちょっとした勘違いをしたまま、少女は喇叭手に憧れ、軍への入隊を決意し…。
02.C [2011]

「ノイタミナ」枠で放送されてたらしいオリジナルアニメ。副題を付けると『C: The Money of Soul and Possibility Control』という。持ち金を賭けて使い魔的な存在同士を戦わせ、その成果によって所持金や現実の金融に影響が出る、という設定なのですが、とにかく高度経済成長以降の日本を悲観的に描いています。
かつて『C』というアニメで、日本社会が「未来」を失う様子が描写されるんですが、
— 三崎律日 (@i_kaseki) 2023年6月18日
・幼馴染みが進学を諦める
・バイト先から先輩が消える
・公園から子供がいなくなる
などといった「暮らし」の延長としての「国の行き詰まり」が描かれていて大変に嫌な気持ちになりました。
ちなみに2011年の作品です
最終的には「今の充実のために未来に負債を負わせるのか、未来に希望をもって今を貧しく過ごすのか」という答えの出ない対立が作品の大きな軸になってきます。同じノイタミナの『東のエデン』にも言えることですが、当時の日本はどういう捉え方をされていて、どうすれば日本は良くなるのか、というなかなか実感の持てない問題を若い青年を中心に身近な視点で描いていて、かなり社会派なアニメです。
監督のインタビュー記事も呼んだけど面白かった。あと個人的に同作品が元ネタの DJ Sharpnel - Black Chocolates が好き。
あらすじ:
20XX年、都内の大学に通う大学生・余賀公麿は、平凡な人生を歩むことが夢。同級生の羽奈日にも呆れられるほど、卒業後の安定した暮らしを求めている。そんなある日彼の前に現れた怪しい男により、ミダスマネーを奪いあう争奪戦に巻きこまれていく。
03.デュエル・マスターズWIN 決闘学園編 [2023]

20年以上放送が続いていた同名カードゲームを原作とする『デュエルマスターズ』シリーズの最後の一作。同シリーズは2022年から主人公が「斬札ウィン」と四代目に交代した『デュエル・マスターズ WIN』として新たに始まり、歴代の切札一家たちとは全く異なる世界の話が描かれています。それに伴い作中におけるデュエマの在り方も変化しており、特徴としてあらゆるカードが広く流布している / 相手が現実の大会でも結果を残すようないわゆる"環境デッキ"を使ってくる / 対戦の細かなプレイング描写が丁寧に描かれる...など、より現実のデュエマに近い対戦を見ることができます。
個人的に大好きなのが、本作の黒幕でありラスボスの《DARK MATERIAL COMPLEX》戦。主人公のようなヒーローに憧れるウィンの仲間「ウガタ」の文字通りコンプレックスを刺激して闇堕ちさせることで敵として立ちはだかるのですが、彼の使うデッキが歴代の主人公たちが使っていたカードを無理矢理ぜんぶ詰め込んだ歪なデッキなんですよね。デッキ構築の段階から対戦の奥深さを引き立ててくれます。

現実では強すぎて一枚制限カードになってしまった《DARK MATERIAL COMPLEX》さん。ちなみにCVはあの早見沙織さんが担当している。
戦局は二転三転し、最終的にはウィンの切り札《アビスベル=覇統=ジャシン帝》による「終極宣言」が発動!バトルゾーンにアビスクリーチャーたちがずらっと並ぶ総力戦感は、まさにシリーズの幕引きに相応しい大迫力の一戦でした。


アニメ見てるとマジでデュエマやりたくなってくる
あらすじ:
斬札ウィンはデュエマを学べる学校・マイハマ学園に入学。毎日デュエマで遊べる夢のような日々!…のはずが、退屈な授業ばかり。そこでウィンはデュエマを最高に楽しむためのクラブを結成することに。様々な思惑が渦巻く学園で、ウィンの新たな日々が始まる!
04.ぱにぽにだっしゅ! [2005]

『ネギま!』や『さよなら絶望先生』、『まりあ†ほりっく』など00年代の新房監督×シャフトのタッグで作られた作品にはかなり好きなものが多いのですが、個人的にはこの『ぱにぽにだっしゅ!』がベスト。

この時期の新房監督作品ってとにかく奇抜な演出が多く、簡単に言えば画面が「うるさい」のですが、それを『ぱにぽに』の世界観やテンポの良い掛け合いが中和して絶妙なバランスで楽しむことができます。8月にはYoutubeで一挙配信もやっていて、昔のアニメをプレミア公開のライブ感とともに楽しむという新しい感覚も味わえました。
年末には池袋でやっている「シャフト50周年展」にも行く予定なので楽しみです。
あらすじ:
自由すぎる校風の私立高校桃月学園に天才ちびっこ先生、レベッカ宮本(通称ベッキー)が赴任してきた! 個性的な生徒たちと動物たち(?)と共に、ちびっこベッキーが活躍したりしなかったりするびみょーにきみょーなスクールコメディ!!
05.トムとジェリー(可愛い逃亡者) [1952]

いや、トムジェリ面白すぎワロタ。なんか今年トムジェリのさかながSNSでブームになった時期があったと思うんですけど、それに乗じて本編を小学生ぶり?に見てみたのですが、いろいろと凄すぎた。誇張抜きに5秒に一回面白い。本当にあり得ない密度で小ボケや細かな動きが盛り込まれていてまったく目が離せない。最近の若者のことを「ドーパミン中毒のガキ~」と揶揄されがちな昨今ですが、真のドパガキ向けアニメは既に70年前に存在していた。我々Z世代こそ、トムジェリを見るべきなのかもしれない。
06.Turkey! [2025]

自分が今年唯一リアタイ視聴したアニメ(嘘だろ)。衝撃的な展開で話題を呼んだ本作ですが、実は舞台となっている長野県千曲市は私の親の実家に近い場所で、私の第二の故郷のような場所なんですよね。なので結構前から地元が宣伝に力を入れていたことを知っていたというのもあり、毎週Turkey!と千曲市の行く末を興奮と困惑のなか見守っていました。
— SaKura (@SaKura__anime_) 2025年8月5日
まあなんか言いたいことはいろいろあるのですが、「ボウリングアニメ」を謳いつつ終盤に一度だけ魂の1ゲームをやるという展開は、持ち時間の大半を使って最後の一曲へと導くような到達セットのDJmixを見ているようで謎の高揚感がありました。

実際に千曲市にも行ってきた。市内に入った瞬間あちこちにTurkey!の看板やのぼりが立っており、千曲市のみなさんがTurkey!に全ベットしている姿を目の当たりにして、ちょっと泣く。
あらすじ:
利奈、さゆり、希、七瀬、そして部長の麻衣が所属する一刻館高校ボウリング部。ある日の大会をきっかけに利奈が退部を宣言し、引き止めた麻衣と1ゲーム勝負することに。しかし試合の最中麻衣のボールが光り、5人が目覚めるとそこは本物の戦国時代で…!?
07.ハイスクール・フリート [2016]

なんかかわいい女の子たちがたくさん頑張っててかわいいとおもった(IQ3)

おかねかえしてください
あらすじ:
多くの国土を水没させた日本。海上都市を結ぶ航路の増大に伴い、女性職業の海上進出も加速。海の安全を守る「ブルーマーメイド」は少女たちの憧れの職業となっていた。明乃ともえかはブルーマーメイドを目指し、仲間とともに横須賀の海洋高校に入学する。
08.劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 エンテイ [2000]

M3で頒布するCDの梱包作業中に映画ポケモンの初代五部作を一通り視聴したのですが、個人的にはこの『結晶塔の帝王 エンテイ』がお気に入り。親子愛、家族の在り方という子供にも保護者にも刺さるテーマでありながら、しっかりサトシやカスミ、タケシなどトレーナー毎にバトルシーンがあるのが良いですね。単純な勧善懲悪にありがちな「主人公に倒されるためだけに用意された悪者」が出てこないのもGOOD。

終盤にはサトシのエースポケモンで修行中のリザードンが、ご主人様のピンチに駆けつけてくれます。男の子はこういうのが一番ブチ上がるんだから。
最近になって知ったのですが、今って毎年ポケモンの映画が出ているわけではないんですね。「夏はポケモン」の時代は終わったのか…劇場にDS持って行って幻のポケモン受け取りてえよ…。ちなみに自分は『ディアルガVSパルキアVSダークライ』『ビクティニと白き英雄/黒き英雄』あたりがど真ん中世代です。
あらすじ:
ポケモンセンターに寄るため、グリーンフィールドの町を訪れたサトシたち。その頃、町の大きな館で暮らす少女・ミーが謎のポケモン・アンノーンを呼び出し、町は結晶で覆われてしまう。驚くサトシたちの前に、伝説のポケモン・エンテイが現れて…。
09.みなみけ ~おかわり~ [2007]

最近、第5期の制作が決定した日常系アニメの王道『みなみけ』シリーズ。作品自体は昔見ていたのですが、11月辺りからYoutubeで一挙配信を行っており、結局4クール分全編完走してしまった。
個人的には特にこの二期が好きなのですが、シリーズを通して特にクセの強い作品となっている。例を挙げると、平穏な日常アニメにも関わらず作中は晴れの日がほとんどなく、基本的に曇り空のどんよりした日ばかりが描かれる。他にも作画コスト削減のためなのかモブが黒塗りになっていたり、なぜかお花見をまだ桜の咲いていない冬の日に行ったり、サービス回として定番の水着回は海ではなく室内の温水プールだったりと、とにかく謎の不穏な空気がずっと抜けない。

マジでずっとこんな感じ。主要キャラが死ぬタイプのアニメ?
そのせいもあって二期は「駄作」「黒歴史」とファンの間でかなり有名なそうで…自分がその事実を知ったのは今回の一挙放送だったのでちょっとショックを受けました (泣)
でも、自分はそんな二期の雰囲気が好きだったんですよね。雨の日に家に帰ってきたときの部屋の明るさに安心したり、逆に電気を消した部屋に薄い陽の光が差し込んだり…これは前述の『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』にも通ずるところがありますが、そういう仄明るい絵に自分は安らぎと小さな幸せを感じます。
加えて、特に批判の原因となっているのがアニオリ要素として登場する「フユキ」という男の子。彼が出てくるたびにコメント欄は阿鼻叫喚の嵐で、こんなことあっていいのかと思った。しかしながら、本作を奥深いものにしているのもまたフユキだと思います。小学生にして大人の機嫌を伺いながら自我を抑制し「良い子」であろうとする彼の姿は、なんだかんだわがままな末っ子の千秋と対照的に描かれる。そんな彼との対比があるからこそ、終盤の留学に行こうとする春香を「行かないで」と素直に切望する妹二人の子供らしさが特別なものになっているんだと思います。夏奈は14歳、千秋は11歳ですからね。子どもは間違っていいんだ、甘えていいんだという優しさのこもったメッセージを感じ、とっくに二十歳を超えた画面の前の男性は静かに涙を流すのでした。

みなみけ最高の瞬間
あらすじ:
3姉妹で暮らす南家。長女・春香の海外留学を知った夏奈と千秋は、自分たちで家事ができるようになれば春香が安心して旅立てると、ハンバーグ作りの練習を始め…。ちょっとしたことでも大事件?南家の3姉妹は何気ない日常をゆるゆると過ごしていく。
10.この本を盗む者は [2025]

いま緊急でこの文を書いています。この週末に公開されたアニメ映画なのですが、予告編の段階からかなり気になっていたのでさっそく観に行きました。個人的には脚本も作画もかなり良く、非常の満足度の高い作品でした!新作のネタバレになってしまうので詳しいことは言えないのですが、思ったよりかはコミカルでテンポのいい内容でしたね。一方で終盤にかけてどんどん壮大な展開になっていき、映像の美しさも相まってかなり劇場での見応えがありました。
ざっとネットでのレビューを見た感じ、「原作を90分に収めるためにかなり急ぎ足になっている」「ゲスト枠の声の演技がイマイチ」という声が多かった。前者に関しては同意できて、これ1クールでやったらマジで覇権取れただろ…とか途中で思ってた。でも唐突な展開に振り回される感じもストーリー的に主人公と同じ視点で楽しめて、これもまた "味" だなと。後者に関しては自分はあまり気にならなかった。
とにかく一度予告編を見てほしい。真白ちゃんが可愛すぎる!
おわり
普段アニメの話ができる間柄の友人がいないので、つい長々と書き連ねてしまいました…。たまにはこういうブログもいいですね。クラブや即売会などのイベントで自分に会ってくれたときにはお互いの好きなアニメの話とかすると話が弾む…かもしれませんね。その時に備えて、来年はちゃんと新しいアニメも観ようと思いました。
おまけ:今年聴いたベストアニメソング
今年聴いたベストアニソンは 麻生夏子 - programming for non-fiction でした!『よくわかる現代魔法』ってどこかの配信サービスで視聴できたりするんですかね。
[S2XD-003]
執筆:Yakumo
執筆日:2025/12/28
Horizon, Stasis, UN1TE…往年の名曲リミックスから考える、歌モノJ-COREの"イデア"
本投稿は、歌モノJ-COREを主題として「何がその曲をその曲たらしめているのか」という問いに対し、イデア論を参照しながら往年の名曲とそのリミックスを手掛かりに考えた記事です。

1.はじめに
皆さんは「J-CORE」という音楽ジャンルを聞いて、真っ先にどのような楽曲を思い浮かぶだろうか?主に日本人のセンスによって作られたハードコア・テクノを広く指すその言葉は、時代やコミュニティによって様々な解釈が為されてきた。今回はそんなJ-COREの中でも、特にフィーチャリングされたシンガーによるオリジナルの歌唱が用いられたいわゆる「歌モノJ-CORE」に関する考察を行おうと思う。
まずは本記事で扱う歌モノJ-COREの一例を紹介したい。イギリスのプロデューサーTANUKIは、2000年代のJ-COREやUKハードコアなどを踏襲した作風で『J-Core Masterz』や『Bastard Pop Terrorists』などに楽曲を提供し、J-COREシーンにおいて非常に重要な役割を果たしている人物だ。そんな彼は自身のインタビューの中で「J-COREとはどんな感じの曲?」と聞かれた際に、名曲 kors k feat. Lia - Horizon を挙げている。*1 2004年にbeatmania IIDX 11 IIDXREDに収録された本楽曲だが、トランス調の哀愁に満ちたシンセリフやブレイクのM1ピアノ、そして何より「鳥の詩」でおなじみLIAによる美しいボーカルと、リリースから20年以上が経過した現在でも色褪せない魅力がある。
ところで、このHorizonにはオリジナルバージョンの他に複数のリミックスが存在するということはご存じだろうか。kors kの別名義teranoidのアルバム『TERANOID OVERGROUND EDITION』には Horizon (Omega Force Mix) が、*2 また『GENESIS OF NEWSTYLE』という2006年のアルバムに Horizon (Feel Loneliness X-tended) というリミックスがそれぞれ収録されている。 *3 加えて本楽曲がkors kのアルバム『Ways For Liberation』に収録された際にはより新しいサウンドで再構築されたバージョンに進化している。*4
どのバージョンにも独自の良さがあり大変味わい深い……が、ここで私はとある疑問が思い浮かんだ。「HorizonをHorizonたらしめている要素とはいったい何だろう?」と。既存の楽曲をリミックスするという行為は、日ごろダンスミュージックを聴いている者にとって非常に馴染み深い文化だ。リミキサーは原曲の一部を用いつつ本人の感性でアレンジを施し、新しい楽曲として再構築を行う。しかし、その原曲の一部とはどこからが一部なのか?同じボーカルが用いられてさえいれば、それはHorizonといえるか?あるいはメロディ?メロディといっても主旋律の他にコードやアルペジオなど複数のメロディが存在するが、それらは全てHorizonにとって欠かせない要素なのか?メロディを他のシンセで鳴らした場合はどうだろう?キックなどのドラムスは、その配置のリズムも含めてリミキサーによって打ち込み直されているが、これはHorizonの一部ではないのだろうか?Horizonという楽曲を構成する要素のうち本質ではないと思われるものを、まるで玉ねぎの皮を剝くようにひとつひとつそぎ落としていったとき、最後には一体何が残るのだろう?
2.イデア論を考える
このように物事の本質を捉えようとする行為は、古代ギリシアの哲学者プラトンのイデア論による解釈が可能だ。イデア論については、私の理解している範囲で大まかに説明しておきたい。(やや抽象的な話なので、哲学に関心がない人は軽く読み飛ばしても大丈夫です。)
皆さんは「三角形」という概念をどのように定義するだろうか?「同一直線上にない3点と、それらを結ぶ3つの線分からなる図形」…こんなとこだろう。しかし、そのような「三角形」を一目でも見た者が果たしてこの世に存在しただろうか?定規やプリンターで紙に描かれた三角形は一見完璧に見えるが、それらを極限まで拡大するといくらかのズレや歪みが確認でき、したがって厳密には三角形とは言えない。コンピュータによる出力もまたディスプレイの解像度に限界が生じてしまう。つまり、私たちは定義通りの「三角形」を視覚的経験として見ることは不可能なのだ。しかしそれにも関わらず私たちは「三角形」とはどういう概念であるかを理解しているし、紙やディスプレイに描かれた図形を「三角形」として認識できている…。こうした事象を、プラトンは「私たちの魂が三角形のイデアを学んだことがあるからだ」と説明した。
このようなイデア論の考えは、日常の様々な物事に適応可能だ。この世に完璧なイス(=イスのイデア)など存在しないし誰も見たことがないのに、私たちはデスクチェアを、リビングのソファを、公園のベンチを、全て腰を掛けるために存在する「イス」として認識できている。それはこの世に存在するあらゆるイスが、イスのイデアを模倣したものであるからだ、とプラトンは説明する。
これは音楽…先述のHorizonにも同様のことが言えそうだ。私たちは真の意味でHorizonを聴いたことがない。なぜならHorizonは本質的には0と1の組み合わせで構成されたmp3ファイルやwavファイルとして存在するデータに過ぎないからであり、私たちはそれをスピーカーやヘッドホンなどを通じて音の波として聴覚的に体験するが、その音は機材や空間、音量やイコライジング、聴き手のその日の体調によって必ず毎回微妙に異なっている。なのになぜか、私たちはこの「特定の音の波の連続」を何度聴いてもそれを同じHorizonだと認識できる。つまり、HorizonにはHorizonのイデアが存在するのではなかろうか。では、それは一体どのようなものか?
これがクラシック音楽やロックなどの楽器を用いて演奏することが前提とされている音楽なら、もう少し話は簡単なように思える。そのような音楽はたいていの場合その曲を音の波として出力するための設計図、つまり五線譜に落とし込むことが可能だからだ。五線譜に従って演奏さえすれば、演奏するギターの種類や音が違くても、奏者の技術に多少のブレがあっても、全て同じ曲として受け取ることができる。これは、先述した三角形のイデアの例に似ている。私たちは五線譜を読み、理解することができる。つまり、音楽が音の波として具現化する前のデータの状態で確認をすることが可能であり、それはより楽曲の本質、イデアの状態に近いのではないか?
しかし、Horizonのような電子音楽の場合そうはいかない。Horizonを五線譜というフォーマットで定義することは不可能であることは、日ごろ電子音楽を聴いていたりDTMをしていたりする者ならよく分かるだろう。かといってmp3ファイルなどの0と1の羅列を人間が読み解くこともまた無理な話だ。したがって、私たちはHorizonを音の波として現実に実体化した状態=Horizonのイデアを模倣して作られた状態でしか確認することができない。
3.その曲がその曲であるためには
前のトピックでは、イデア論の観点から歌モノJ-COREにとって必要不可欠な要素を見極めることがそのままでは困難であることを説明した。ではどうすればよいか…そこで私は同様にHorizonの一形態(=イデアの模倣)としてこの世に存在する複数のリミックスバージョンを考えたい。リミックスは原曲とは異なる楽曲としてこの世に存在しているものの、それは紛れもなくHorizonとして受容される。リミキサーは本人が意識したかどうかに関わらず、楽曲を定義付けるうえで必要不可欠な要素を抽出し、それを引き継いで新たなを楽曲として制作をしているはずだ。ちょうどこの世に存在する様々な三角形(に限りなく近いなにか)を観察し、それを「同一直線上にない3点と、それらを結ぶ3つの線分からなる図形」と定義したように、複数のイデアの模倣たちの最大公約数を捉えることで、それらの奥にある本質が見えてくるのではないだろうか。次のトピックでは、実際にHorizonをはじめとしたいくつかの楽曲とそのリミックスを分析し、歌モノJ-COREにおいてその曲をその曲たらしめている最も純粋な要素(=イデア)がいったいどこにあるのかを考えていこう。
4.実際に考えてみた
Ⅰ.kors k feat. Lia - Horizon
まずは冒頭でも紹介したHorizonから考えてみよう。先述の通り、この楽曲にはオリジナルバージョンの他にteranoidによるOmega Force Mix、Feel Loneliness X-tended、そして本人によるリメイクバージョンの、少なくとも計4つが存在する。これらに共通する要素、また互いに異なる要素をそれぞれ見ていこう。
いずれのリミックスにも登場する要素としては、やはり原曲後半のメロディリフが挙げられる。原曲においてビルドアップも含めて計4回繰り返される8小節の哀愁漂うメロディは、Horizonを定義づけるにあたって大きく貢献しているようだ。どのリミックスを見ても、最後の一番盛り上がるドロップでは必ずこのメロディを持ってきている。一方で、原曲序盤のトランス調のメロディや印象に残るM1ピアノのコードバッキングは本人によるリメイク以外には引き継がれていない。つまりこれらのパートはHorizonの本質=イデアには直接関係がない要素なのだろうか。
加えて本楽曲で最も注目すべきなのは、Feel Loneliness X-tendedにおいてLiaによる歌唱がごっそり削除されている点だろう。これがポップスなどの音楽で起こったら一大事だ。なにせ曲から一切の歌詞がなくなってしまったのだから。しかし、それでもこれは確かにHorizonなのだ。ここから言えることは、歌モノJ-COREにおいてその歌唱および歌詞は、ポップスなどの音楽と比較してそのイデアからは相対的に遠い位置にあるのでは、ということだ。確かに「Horizonを口ずさんでください」と急に言われたら「果てしなく…」と歌う者がいる一方で、フンフンフン…とドロップのメロディリフをハミングする者も少なくはないだろう。
では、歌モノJ-COREの核は常にメロディに存在するのだろうか?他の楽曲も見ていこう。
kors k feat. Lia - Horizon
Horizon (Omega Force Mix)
Horizon (Feel Loneliness X-tended)
Ways For Liberation ver.
Ⅱ.源屋 - Stasis feat.motoko
StasisはHARDCORE TANO*Cに所属するアーティスト源屋による楽曲で、同レーベルのコンピレーション『HARDCORE SYNDROME 3』に初収録された。2009年にリリースされてから長い間愛され続けている珠玉の一曲で、リミックス、editを含めた全バリエーションは以下の通りなんと6曲も存在する。
- Stasis (オリジナルバージョン) [HARDCORE SYNDROME 3]
- Stasis (DJ 490 Breaks Remix) [MINAMOTRANCE CORE BREAK!]
- stasis (DJ-Technetium Remix) [TANO*C REMIXES 2]
- Stasis (DJ Noriken Remix) [MINAMOTRANCE CORE × SKETCH]
- Stasis (3R2 Remix) [MINAMOTRANCE CORE i7]
- Stasis feat.motoko -WACCA EDiT-
これらの楽曲に特徴的なのは、motokoによる歌唱が全てのバリエーションで確認できる一方で、ドロップ部分のメロディリフが曲ごとに異なっている点だ(本人によるeditを除く)。先ほどのHorizonとは全く逆のパターンとなっている。これは冷静に考えてみると実に不思議だ。いずれの楽曲も歌唱パートはブレイク=休憩地帯に当たり、クラブミュージックとして本命の一番盛り上がる部分、いわばサビであるドロップが全く別の曲に置き換わっているということだ。一体なぜStasisにはこのような特徴があるのだろうか?
ここで私は、各リミキサーの人選に着目したい。リミックスを務めたアーティストたちはいずれもMakina、Trance、UK Hardcoreなどに影響を受けた、メロディやシンセリフに特徴のある楽曲の制作を得意としている。したがって、彼らの「らしさ」はメロディセンスやそれによるドロップ地帯で本領を発揮する。よって、StasisがStasisでありつつもリミキサーの要素を加えようとしたとき、必然的にメロディの改変に至ったのではないだろうか。
Stasisのイデアについて考えよう。一番芯となっているメロディが全て異なるこれらの楽曲だが、視野を広げて大まかに捉えるとボーカルカットアップによるイントロ→ブレイク地帯での歌唱→メロディドロップというフォーマットについては大同小異だ。つまり、各リミキサーの改変によって原曲を構成する要素の中からメロディという特色が薄まり、Stasisを形作っていた骨組み、型のようなものがイデアとして浮き彫りになったと考えられないだろうか。言葉や文字は突き詰めるとただの記号でしかなく、本質的にはそれ自体に意味はない(シニフィアン、シニフィエの関係性)。美しい夕焼けを見て感動した気持ちを表現する言葉が無数にあるように、Stasisを表現するメロディという具体的な周波数の連続もまた無数にあるということだろうか…。
源屋 - Stasis feat.motoko
Stasis (DJ 490 Breaks Remix)
stasis (DJ-Technetium Remix)
Stasis (DJ Noriken Remix)
Stasis (3R2 Remix)
Stasis feat.motoko -WACCA EDiT-
Ⅲ.Massive New Krew - UN1TE feat.YUC'e
UN1TEは『HARDCORE SYNDROME 8』に収録されたMassive New KrewとYUC'eの歌唱による楽曲だ。今となっては懐かしの音となった当時を象徴するようなキックと、多幸感あふれるメロディのまさに泣きのハードスタイルに相応しい名曲となっている。本楽曲のバリエーションとしてはDJ Noriken Remix、YUC'e Remix、Tatsunoshin Remix(正式なリリースは行われていないため、準公式ではあるが)の3つのリミックスのほか、Massive New Krew本人らが主にキックなどの音を差し替えたいくつかのeditが存在する。
これらのリミックスに関してまず印象的なのは、どれもスタイル(ジャンル)が原曲とは全く異なっているという点だろう。同様にリミックス同士でBPMが全て違う速度になっていることにも注目したい。これは、上記のHorizon、Stasisのリミックスにはあまり見られなかった特徴だ。つまり、泣きのハードスタイルとして存在するUN1TEは、本来ハードスタイルという枠組みにとらわれないポテンシャルを秘めているということだろうか?言い換えれば、UN1TEのイデアにおいて「ハードスタイルである」という定義は必ずしも必須ではないことを示唆しているのではないだろうか。
一方で、歌唱とコードバッキングによって構成されるブレイク地帯はどのバリエーションにおいても健在だ。これは「Believe in yourself, 僕らならきっと…」とBメロ?の部分までしっかりと受け継がれている。以上のことから、UN1TEにおいては歌唱とそれによる楽曲全体の構成に対する制約が支配的(よりイデアに近い)で、それに従属する形でジャンルなどの具体的な要素が決定づけられているような印象を受けた。
UN1TEのこの有り方は、本記事で扱った楽曲の中で最もポップスなどのいわゆる「歌」のそれに近い。通常、楽曲の制作は歌詞や主旋律、コード進行などを決める「作曲」と、それを基にリズムや伴奏を付け加え楽曲として完成される「編曲」に二分して行われる。ダンスミュージックはこの作曲、編曲をDAW上で同時に行うことが多いため両者の区別が難しいが、今回取り上げた歌モノJ-COREにおいてはその限りではない。UN1TEの制作過程を私が知り得ることはできないが、まず作詞とメロディの制作を行ってから実際にDAW上での構築に取り掛かったのでは、と考えることは不自然ではないだろう。つまり、歌モノJ-COREはダンスミュージックでありながらもその制作過程を作曲、編曲に二分が可能である稀有な例であるといえる。
以上を前提としてUN1TEのリミックスを考えたとき、その制作においてスタイル(ジャンル)という編曲過程の最も基礎的な部分から再構築が行われた結果、それらの共通項(イデア)として前段階の作曲で作られたであろう部分が浮かび上がってきたのではないだろうか。したがって、UN1TEはより「歌モノ」としての性質が強く出ていると考えられる。
Massive New Krew - UN1TE feat.YUC'e
DJ Noriken Remix
YUC'e Remix
Tatsunoshin Remix
5.おわりに
以上のように、本記事ではイデア論を参考に歌モノJ-COREにとって、それを定義づけている必要不可欠な要素は何か?という問いに対する考察を行った。結論としてはこれは一概に言えるようなことではなく、どの曲も少しずつ異なる性質を持っていることが分かった。実際にHorizonはメロディ、Stasisは歌唱やフォーマット、UN1TEは作曲部分といった具合に、それぞれ別の視点からイデアを考えることができた。本記事を参考に、自分が普段聴いている楽曲はどのパターンに近いか、あるいはそれらとはまた異なる特徴が挙げられるか…など考えてみても面白いだろう。
また、今回は私の関心から考察の対象を歌モノJ-COREに限定したが、歌詞がない(あるいはあまり深い意味を為さない)楽曲や、他によりアイコニックな要素を持っている楽曲などに関して考えてみるのも面白い。例えば、特徴的な声ネタで人気なnora2rによる楽曲 "B.B.K.K.B.K.K." のリミックス盤を取り上げてもまた違う視点が出てくるだろう。
全くの余談ですが本リミックス盤に公募合格者として楽曲が収録されたTsushimadaは、本サークル主Yakumoの1st Albumにも楽曲を提供していただいています。(ダイレクトマーケティング)
最後に、あとがきとして私自身の感想を述べて締め括りとしたい。本稿を通して見えてきたのは、歌モノJ-COREが単なる踊るための音楽としてだけでなく、同時に作曲と編曲、構造と身体、意味と記号などそれぞれの関係性を垣間見ることができる、非常に深みのある音楽として聴くことができるということだ。またリミックスとは原曲の持つ良さやその輪郭などを基に、異なる感性を持ったアーティストが再構築を試みる営みであることも実感できた。だからこそ、それらは同じ曲でありながらも、同時に全く異なる表情を私たちに見せてくれる。ぜひ本記事を読んだ方は次に好きな楽曲のリミックスを聴くとき、あるいは自分でリミックスを作るとき、その背後にある「イデア」を意識してみてほしい。きっと、これまでとは少し違った聴こえ方や面白さを発見するはずだ。
本記事は以上になります。今回取り扱った内容や考え方が、J-COREという最高の音楽に対する新しい聴き方の提示として少しでも誰かの関心を引く内容になっていれば幸いです。皆さんもぜひ好きな楽曲のリミックスやそのイデアについて考えてみてほしいです。それではお疲れ様でした。
[S2XD-002]
執筆:Yakumo
執筆日:2025/12/14
サンプリング・ミュージックとしてのFrenchcore

1.はじめに
大人気ジャンル"Frenchcore"
近年、ハードコア・テクノにおけるサブジャンルのひとつであるFrenchcore(FRENCHCORE / フレンチコア)は、日本でも着実に人気を高めている。リスナーやファン達は日々SNSなどで国内外問わず様々なFrenchcoreを共有しているし、Frenchcoreを扱うコンポーザーやDJイベントもこの数年間で大きく増加したように思える。また2025年3月にはFrenchcoreの始祖であるフランスのRadiumが来日公演を果たすなど、国内のシーンは現在熱狂の渦に包まれている。

The Frenchcore Connection 3 [2025-03-08]
加えて、Frenchcoreの人気はもはや特定のコミュニティやクラブシーンの内部だけには留まらない。アーケード、スマホアプリ問わず様々なリズムゲームにもFrenchcoreの要素が取り入れられた楽曲が収録され、時にはアイドルグループの楽曲にさえその波及を見て取ることができる。あまり深く触れることは憚られるが、インターネットミームをネタにしてAIに出力させた某楽曲*1も、決して無視できない再生数を獲得しているようだ。
REDALiCE vs USAO - 最強STRONGER [2020]
9DayzGlitchClubTokyo - fray“Heavy Malfunction side” [2021]
このように、Frenchcoreはいまやハードコア・テクノを代表する音楽のひとつとして日本人に認知されるまで成長を遂げたのである。
Frenchcoreを構成する要素とは?
Frenchcoreという音楽を定義するならば、「BPM200付近、あるいはそれ以上の早いテンポ」、「歪んだキックとベース」といった要素はやはり欠かせないだろう。しかし裏を返せば、Frenchcoreというジャンルにはこれら以外の制約は存在せず、非常に多くのスタイルや可能性を持った音楽と言える。
フレンチコアの特徴は200~240BPMで振動する固いキックと、リバースベースと呼ばれる裏打ちベースにあります。この二つがフレンチコア特有の気持ちイイ浮遊感を産み出すのです。ちんこ
— Dustvoxx (@Dustvoxx) 2013年2月19日
ところで、皆さんはFrenchcoreと聞いてどのような音楽が真っ先に思い浮かぶだろうか?美しいメロディ、煌びやかなシンセサウンド、そして聴く人をたちまち驚愕させる激しく独特なキックベース―――など。このような認識は、決して間違いではない。一般にEuphoric Frenchcoreとして細分されるそのようなスタイルの楽曲は2010年代中盤ごろオランダで生まれ、国内外問わず現在のFrenchcoreの中核を担っている。実際に、ハードコア・テクノの最大手レーベルのひとつであるMasters of Hardcoreが制作したSpotifyのプレイリストにはまさにそのような楽曲が多くラインナップされているし、日本でも知名度が高いオランダの超大規模なハード・ダンスフェスティバルDefqon.1ではEuphoric Frenchcoreの中心人物であるDr.PeacockやSefaが継続して出演している。
Dr.Peacockが2018年にDefqon.1のメインステージで披露した"Peacock in Concert"はFrenchcoreシーンそのものを世界的に躍進させる大きなきっかけとなった。
同様に、現在の日本で人気な楽曲もやはりそのようなスタイルのものが多い。Youtubeの公式音源で100万回再生を突破したUSAO - Wildfireは明確にSefaの楽曲を意識した記述が見られる。
かっこいいフレンチコア出来た! !!
— USAO@山奥 (@USAO926) 2019年10月10日
👊👊👊✊🤛🤜#新曲#sefa #Frenchcore#HANDZUP pic.twitter.com/1uWXLkxNMA
このようにFrenchcoreはその名の通りフランスで誕生した音楽だが、現在はオランダを中心にしてシーンが形成されているということは紛れもない事実だ。
初期Frenchcoreとの比較
以上のように、Frenchcoreは現在、ハードダンスシーンの中心で勢いを増しながら日々多くのリスナーを魅了し続けている。一方で、このような商業的観点からの成功は、それまでのFrenchcoreが持っていたとある要素を削ぎ落すこととなった―――それがサンプリングという技法である。
そもそも、ハードコア・テクノやガバにルーツを持つ音楽は往々にして商業的な世界の外側(≒アンダーグラウンド)から出発している。そこではドラムマシンやサンプラーなどを用いた楽曲制作が行われ、その中でサンプリングという手法も当然ながら用いられていた。それは90年代初頭におけるフランスのレイヴシーンがガバの影響を受けるところから始まったとされるFrenchcoreにおいても例外ではない。実際にFrenchcoreがジャンルとして認知されるようになったきっかけであるMicropoint (Radium & Al Core) - Neurophonie [1998]では、アルバムに収録された楽曲の大半でジョージ・ルーカスの映画『THX 1138』(フランス語吹替)の音声がサンプリングされているとの記述がある。*2
このようにFrenchcoreとサンプリングは初期の頃より切っても切れない関係にあったものの、シーンの成長に伴いスタイルの在り方は変化してくる。次第にこのようなスタイルの楽曲は影を潜め、上述の通りやがてオランダのEuphoricスタイルにシフトしてゆくことになる。一方で、2024年のDefqon.1でDr.Peacockが披露したTripping with Dr. Peacockの一曲目には、川井憲次の『攻殻機動隊』サウンドトラックから謡I-Making of Cyborgをほぼそのままにキックベースを乗せたDr. Peacock & The Speed Freak - Trip to Okinawaが用いられている。
このことから、Frenchcoreにおけるサンプリングは、一部ではあるものの現在でも重要なエッセンスとして受け継がれていることが伺える。
本記事では、このようにFrenchcoreと長く深い関わりを持ってきた「サンプリング」という手法に焦点を当て、その歴史をたどることで、これまであまり意識的に注目されてこなかったFrenchcoreの重要な側面を再確認するとともに、時代とともに変化してきた楽曲やシーンの在り方を整理することを目的とする。前半では主にフランス、オランダなどの海外シーンを黎明期から現在インターネット上で起こっている新しいムーヴメントまで扱い、後半では日本国内のシーンに絞って見てゆくこととする。なお、これは必ずしも楽曲のサンプリング元をひとつひとつ暴いてゆくことを目的としたものでもなく、現在の主流を批判したいわけでもないことに留意していただきたい。むしろ「Frenchcoreにはこんな聴き方もあるのか」と感じていただけるような、新たな視点を提示するきっかけとなれば幸いである。
また本記事で取り上げる楽曲は、筆者の好みやサンプリングの分かりやすさを重視して選んでおり、必ずしもその曲が時代を象徴しているわけではない点にもご注意ください。
本記事におけるサンプリングとは
音楽におけるサンプリングとは、録音の一部をデジタル上でコピーするプロセスのことである。これはギターやドラムの音、人の声などあらゆる音源が対象となり得る。こうして生成された新たなサンプルは、その後新たな音声作品に挿入された使用される。サンプリングはコラージュアートの一形態であり(中略)Pierre Schaefferによってヨーロッパで発展した。彼はテープに録音された音を切り取り、異なる順序で再構成したり、テンポを変えたり、ループさせたりする実験を行った。(訳:筆者)
Ewald, Julie, and Paul G. Oliver. 2017. “UK Copyright and the Limits of UK Music Sampling.” SSRN Electronic Journal.
音楽における「サンプリング」という言葉の意味には人によって解釈にブレがあり、一概に定義することは難しい。もっとも広い定義ならば、購入したサンプルパックからドラム音源を選択してDAW上に張り付けることもまたサンプリングである。しかしそれは本記事の趣旨にはそぐわないことから、ここではサンプリングの意味を「既に存在する作品(楽曲や映画など)や環境音の一部をコピーして作られた新たな楽曲」というものに限定したい。
Everybody SAMPLING!!!
2.海外シーン
初期フレンチコア時代
これまで長々とすみません。ようやく本題に入ります。音楽シーンにおける変遷というものは、直接的なきっかけがある場合は稀で往々にしてグラデーション的に起こっている。それはFrenchcoreにおいても例外ではなく、したがって各時代をはっきりと区別することは難しい。しかしながら、Frenchcoreという音楽が明確にジャンルとして定義できるようになったのは、前述したMicropoint - Neurophonie [1998]だというのが定説のようだ。*3また、同アルバムがジョージ・ルーカスの映画の音声を多くサンプリングしているということも書いた通りだ。当時について、MicropointのメンバーであるRadiumは自身のインタビューのなかで「現在のハードコアは、初期のなんでもありで実験の余地が無限にあった頃と比べてはるかにフォーマット化されている」と述べている。*4Frenchcoreが生まれる前には当然Frenchcoreという言葉も存在しないので、もしかしたら『THX 1138』をネタにハードコアのアルバムを作ってみよう、という彼らの実験的、意欲的動機から生まれたのがNeurophonieで、そこで用いられたキックベースやサンプリングなどの音的な手法がフォーマット化し、後にFrenchcoreとして確立したのかもしれない。
Noise Theaterには現在のようなキックベースが見られるが、アルバム全体を見るとまだまだ実験的な楽曲が多い。
近い年代の他の楽曲も見てみよう。Psychik Genocideはハードコア・テクノを広く扱っているフランスの巨大老舗レーベルAudiogenicのFrenchcoreに特化した最大手部門であり、現在に至るまでRadiumが主宰している。その中から初期のコンピレーションHardcore SlaveryシリーズのRadium - Art Is Nasal [2002]をチョイス。鼻息や叫び声のサンプリングにカット、ループを施し作られたグルーヴが永遠と続くストイックな作品。同コンピレーションは初期のシーンを形成したアーティスト達が多く名を連ねており、当時の雰囲気を知るのには丁度いい作品だ。
フレンチコア、そしてサンプリングを語るにはドイツのThe Speed Freakの存在は欠かせない。氏は2000年代からFrenchcoreにフォーカスした作品をPsychik Genocideから多数発表している。The Speed Freak - Ganjasexは声ネタの引用も見られるほか、突然Lords of Acid - Marijuana in Your Brainが挿入されたかと思えば、クラシックのいわゆる「ハレルヤ」から無機質なドロップへと遷移する。氏の無節操に様々な要素を取り込もうとする意欲を感じる一曲。
同曲が収録されたDisinformation Overload [2005]にはDevastatorやMake 'Em Die Slowlyなどの日本人にも馴染み深いサンプリングが為された楽曲も入れられており、彼の日本の文化に対する関心の高さがうかがえる。(これに関しては後に詳しく述べる。)
Social Teknologyはハードテックの大手レーベルAstrofonikのFrenchcoreに特化したサブレーベルであり、現在でも精力的に活動しているアーティストの楽曲も多数リリースをしている。vol.2に収録されたDJ Mutante - Omelet [2009]ではジョンウィリアムズの劇伴*5をサンプリングし、その上にキックベースやフィル、声ネタを乗せて展開を作っている。
2010年代前半
2010年代に突入した頃から、Frenchcoreのスタイルは劇的に変わり始めた。キックは現在でも聴きなじみのあるものが定着し、ドロップとブレイクの展開が明確に分かれるようになり、裏打ちのベースはコード進行としてピッチが動くようになった。サンプリングとしては初期の作品に特有な人の声などのワンショット系やカットアップ、ループといった手法からシフトし、ロックやヒップホップ、歌モノなどの引用が目立つようになる。原曲を隠さず、元の良さを崩さない非公式リミックスとも解釈が可能な楽曲も増え始めた。
イタリアのユニットThe Sickest SquadはOpera Prima [2012]をリリースする頃には自身のスタイルを確立し、Zombie [2016]は今でもフロアで流れれば合唱が起こる。国際的にヒットした反戦の象徴的ロックソングThe Cranberries - Zombieを元ネタとしており、同様にこの曲を扱ったHardstyleアーティストであるRan-Dの楽曲が爆発的な人気を記録したので、こちらは知っている方が多いかもしれない。
現在でも高い人気があるThe Mastery, Pattern J - Perfect Storm [2016]はまさにこの時代を象徴する集大成と言える楽曲だが、この曲にもしっかり元ネタが存在する。ボーカルにはKaty Perry - Dark Horse ft. Juicy Jが用いられ、後半はリミックスの文脈としても聴くことのできるキャッチーさを備えている。ドロップの入りには当時ミームとしても有名だったDJ Snake, Lil Jon - Turn Down for Whatのシャウトがサンプリングされている。
Dr.PeacockやHyrule Warなどのオランダ人アーティストもこの頃から参入してくる。2013年からリリースを行っていたPeacock Recordsは、それまでの主流であったAudiogenicのものとは異なるスタイルの楽曲を扱うために開設されたようだ。*6Chrono - Das Boot [2014]は同名の90年代テクノの名曲のサンプリングであり、こちらはさらに同名の映画が元ネタとなっている。要は「皆さんご存じの」といったいわゆる大ネタに当たるもので、後にSefa, Dr.Peacockによるリメイクも行われている。
Peacock Recordsは他にもHyrule War - Ocean's Great WavesやMarcus Decks - DMTなど、日本人には見逃せないネタも多い。
2010年代後半
この年代から、それまでのフランスを源泉としていたシーンに大きな変化が訪れる。Dr.PeacockやSefa始めとしたオランダに拠点を置くアーティストたちの本格的な台頭である。Peacockは2016年の段階で新世代のアーティストたちの楽曲は、よりアグレッシブなパンチ力があり、メロディーを重視したものであると述べている。加えて、この頃からDefqonなどのオランダの主要なフェルティバルでFrenchcore専用のフロアが設けられていたことにも言及している。*7
商業的にも規模を拡大し続けるこの頃から、Hardstyleシーンとの融合も相まって楽曲のほぼすべてが打ち込みやシンセサイザーで制作されたFrenchcoreが増加する。それに従いサンプリングの在り方も変化して、優れた原曲のメロディーをそのままに、リードシンセなどでより良いサウンドに打ち込み直すスタイルが好まれるようになる。
Sefaは若干16歳にしてPeacock Recordsとの契約を果たし、次々とヒット曲をリリース、複数の大型フェスにも出演を果たすなど、あっという間に時代の寵児となったスター的アーティストだ。彼はクラシック音楽に造詣が深く、同氏のファーストアルバムに収録されたSefa - Euphoria [2018]はバロック時代を代表するドイツ出身の作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルのいわゆる「ヘンデルのサラバンド」が元となっている。
他にも、Mr.Ivexとの合作LSD Problem [2017]は、随所に挿入されている男性のセリフをPsyched SubstanceというYoutubeチャンネルの動画からサンプリングしたことを自身のインタビューで明かしている。*8
Euphoric Frenchcoreはその名の通りメロディックな曲調が目立つFrenchcoreをリリースしており、こちらもDr.Peacockが主宰をしている。全体的にサンプリングを用いない完全オリジナルの作品が多いイメージだが、レーベルから出ている唯一のアルバムMr. Ivex - You Can Say Ivex [2019]に収録されたOMGという曲ではVinnie Paz - End of Days (feat. Block McCloud)のフレーズがサンプリングされている。またドロップでは同じメロディーをシンセでなぞっており、この時代のサンプリングスタイルを象徴しているような一曲。
End of Daysはさらに原曲が存在しているようだが、ピアノの音が一致していることから本楽曲のサンプリングをおこなったものだと考える。
Super Trash BrosはSprinkyとHyrule Warによるユニットだ。主に任天堂ゲームのBGMにひたすらキックベースを乗せた楽曲が多く、リリースよりもDJでのライブの印象が強い。いわゆるネタ枠に相当する。
Dr.Peacockは当初FrenchcoreとHardtekシーンの融合を目指していたようで、彼が新しく始めたFrenchcore Worldwideの一作目は当時Hardtek界を席巻していたユニットFant4stikとの合作集だった。Tekkil4 [2017]はそのままThe Champs - Tequilaをサンプリングしている。
また上記の楽曲に限らず、Dr.Peacock特有のTripシリーズやオーケストラ調の楽曲には原曲が存在する場合がほとんどだ。例えば現在でもFrenchcoreを象徴するアンセムとして名高いMuzika [2017]はRondò Veneziano - Musica... Fantasiaなど。氏の楽曲は知名度の高さもありWhoSampleのページに大量に記載されているので、原曲と聴き比べるのもいいだろう。*9
Peacockの尽力もあってか、Hardtekアーティストも続々とFrenchcoreシーンに参入してきた。Hardtekの大手レーベルUndergroundteknoから一曲。Floxytek - Real Villains [2018]では海外圏のインターネットミームとして有名なWe Are Number Oneが用いられており、曲中のセリフや効果音もほぼそのまま。
AstroFonikは2018年にレゲエをサンプリングしたHardtekであるRaggatekを、さらにFrenchcoreに変換したリミックス盤を発表している。リミキサーは主にフランス系アーティストが担当しているので、音もそちらの方に近い。
以上のようにオランダ系のアーティストやHardtekの流入によってシーンの雰囲気が一気に変わる一方で、昔ながらのスタイルを維持した楽曲のリリースもそれはそれで続いている。Unitはその名の通りフランスのCreedsとJKLLによるユニットで、Who's The Target [2018]では、Skrillexがサンプリングしたことでも有名な例の女性の叫び声がカットアップされている。*10
この年代はそれぞれが異なるバックボーンを持ったアーティストやレーベルが乱立し、非常に多様なスタイルが混じり合っていた時期であり、以上で紹介した事例はほんの一部に過ぎない。ぜひ自身の好みのスタイルを見つけて、いろいろ調べてみてほしい。
2020年代以降
20年代に突入してコロナ禍を経ても、依然としてオランダ系のFrenchcoreが主流になっている状況は続いている。今回は元ネタも相まって印象的だった楽曲をいくつか紹介する。
BillxはHardtekの文脈から自身のキャリアをスタートし、2017年からはU Can't Stop The Rave Recordsというレーベルを主宰するフランスのアーティストだ。Frenchcoreに限らずHardtek、Hardpsyなど幅広く活動しているが、Fortanoizaとの合作Eagle awakening [2022]では1995年放送のアニメ『マクロスプラス』のエンディングテーマである新居昭乃 - VOICESが使われている。
余談だが、2019年にThe Speed FreakがReady Or Notという楽曲で同様のサンプリングをしている。
Sefaは現在に至るまで相変わらず大人気だ。2022年にはアルバムをリリースしており、その中のKilling In The Nameという楽曲はRage Against The Machineの同名曲が元ネタなのだが、日本では空耳アワーの「ナゲット割って父ちゃん」として広く知られており、海外とは異なる受容のされ方が為される珍しい事案となった。
Q-DanceからリリースされたD-Frek - Can Can [2022]は日本でも運動会などで定番の通称「天国と地獄」をFrenchcoreにしたもので、その原曲の認知度の高さから、SNSなどを中心にシーンの外にも知れ渡る曲となったようだ。
上記のような分かりやすい楽曲もある中で、Radiumは時代に合わせてサウンドを変えつつも自身のスタイルを維持している。同氏は2020年からI Am Frenchcoreというレーベルを新たに立ち上げており、How Dare U [2020]では某環境活動家の演説をサンプリングしている。MVやグリーグの組曲が挿入されるコミカル感じから、やや小馬鹿にした印象を受ける。
挑発的なサンプリングや「俺がフレンチコアだ」というレーベル名と当時のシーンを鑑みるに、Radiumの堂々とした反骨精神を感じずにはいられない。
現在起こっている新ムーヴメントについて
昨今、オランダ中心のシーンとは別に、新たな潮流が生まれているようだ。そしてそれは、インターネット上の音源投稿サイト「SoundCloud」で起こっている。試しにサイトでFrenchcoreと検索してみると、すぐにモノクロで主にゴス系の少女や日本のキャラクターをサムネイルにした楽曲を散見できるだろう。
このようなスタイルで投稿される楽曲は早いもので2021年ごろから見られるようになり、似たような雰囲気のある複数のアーティストが総じて高い再生数を獲得していることからも、彼らのコミュニティが小規模なものではないことが伺える。個人的に調査した結果、どうやらHard Technoから派生したHardtekk(≠Hardtek)と一部繋がりがあるようで、𝐱𝐧𝟖𝟖𝐚𝐱 とEnvyの二名が飛び抜けてフォロワーが多いようだ。楽曲の特徴としては、ヒップホップやロックなどの既存曲をサンプリングして上からキックベースを乗せるスタイル、200BPMよりさらに早い速度、ハードコアにしても高すぎる音圧、曲の長さが短い、衝動を感じるシンプルな構成などが挙げられる。加えて、以上のことからこれらの楽曲がDJユースを前提としたクラブミュージックとしてではなく、インターネットを介して共有されるベッドルームミュージックとして聴かれていることが分かる。一言でいえば非常に「Z世代」的な音楽だ。これは従来のFrenchcoreには見られなかった、全く新しい特徴だ。
あと、2021-2022あたりからsoundcloud上で既存曲の早回しにひたすらキックベースを乗せて、ゴス系のサムネを付けたタイプの所謂 #Frenchcore みたいなのがムーブメントとして存在するっぽいんだけど、誰かこれについて詳しい方はいませんか? pic.twitter.com/MAOX6AsB7w
— Yakumo // ꜱɪɢɴᴀʟ:𝟤𝟢𝟢x (@yakumo_sgn) 2024年4月10日
筆者は約一年前にこのムーヴメントを認知し始めたのだが、当時は便宜上#Frenchcoreと呼称していた。
いくつか具体的な楽曲を見ていこう。inoqx - HIDE [2023]はParadoxx – Highを原曲に、『BLAME!』という日本のSF漫画がサムネイルに使われている。220BPMで打ち鳴らされるキックベースが2分間をあっという間に駆け抜ける。同氏は最近Spotifyにも楽曲をアップロードしているようだ。また日本で長い間Frenchcoreを制作しているDJKurara(詳細は後述)の最新アルバムにリミックスを提供している。*11
日本のボーカロイドも原曲として用いられることがあるようで、こちらは(Frenchcore Remix)と表記されている。Envyは他にも日本のアニメキャラクターを多くサムネイルに用いている。ちなみにほとんどの音源をSoundCloud上からダウンロードできる。
Sghennyはメジャーシーン側のアーティストでありながら、このムーヴメントをいち早く自身の楽曲に取り入れようとする姿勢を見せている。Killed Inside [2025]は同ムーヴメントから頭角を現した人物である4GETとの合作であり、スタイルもそれに近いものとなっている。また、そのふたつ後にリリースされたDevil Girlでは日本人なら誰でも知っているBad Apple!!がメロディリフに用いられている。
以上の新ムーヴメントはまだ誕生から間もなく、はっきりとした呼称も存在しない。しかしながらSNSが大きな力を持つ現代においてこのようなスタイルの楽曲は非常にマッチしているといえるし、今後も勢力を増していくことは間違いないだろう。これからの展開に要注目だ。
3.国内シーン
Frenchcoreという視点から日本のハードコアを見ることは、なかなかに難しい。本場でFrenchcoreがジャンルとして定着する2000年代中盤頃には既に「J-core」と呼ばれる独自の文化が形成されていたために、明確にこれはFrenchcoreだ、と区別して発信されることは稀であり、現代から当時の空気感を完全に把握することはできない。したがってここでは海外のFrenchcoreシーンに影響を受けたであろうアーティスト達をピックアップ、紹介していき、彼らのサンプリング精神にも触れてゆく。
そもそも日本のハードコアシーンの形成には、自身の日本への関心の高さも相まってThe Speed Freakが大きく関わっている。OUT OF KEY、Hammer Brosなどの初期日本人アーティストらの活躍によって1995年に彼が初来日を遂げてから、国内のハードコアシーンは本格的に活気付いていったようだ。
これは当時から現在まで言えることなのだが、日本におけるハードコアという音楽はあくまでも大衆の目から逃れたサブカルチャーとして定着している。その中でハードコアは次第に当時の「オタク」的なカルチャーとも混ざり合い、国内と海外のアーティスト両方の音楽性に影響を与え始める。今日においても、日本のハードコアにおけるサンプリングといえばアニメやゲームなどのネタが扱われることが多い。
そのような相互関係の中で、2003年にはFnrenchcore史、J-core史両方にとって極めて重要なDJ Sharpnel - Torinouta (The Speedfreak's Noise Rave Remix)が誕生する。
Speedfreakが主宰するShockwave RecordingsのBandcampページで該当コンピが唯一Early Frenchcoreのタグ付けがされていること、彼がFrenchcore制作に取り掛かる2000年代と時期が重なっていることなどから、本記事ではFrenchcore史の一環として本楽曲を紹介する。
もともとLia - 鳥の詩をサンプリングした本楽曲だが、その人気も相まって後にオフィシャル・リミックスの扱いとなってLia『enigmaticLIA3 -worldwide collection-』に収録されたという稀有な経歴がある。また、2018年に世界的アーティストPorter Robinsonが自身のサイドプロジェクト"Virtual Self"として初の来日公演を行った際に本楽曲を披露したという伝説はあまりにも有名。彼の口から「日本の音楽で最も良い曲」と言わしめた。*12
#virtualself played TORINOUTA (The speedfreak’s noise rave remix) at Akasaka Blitz 2018.5.31.
— DJ SHARPNEL⚡️VRDJ (@sharpnelsound) 2018年5月31日
音止めて暗転してイントロからきっちり、世界と時代を巡ったトラックがポーターの手でここに辿り着いたのを目の当たりにでき、本当に感無量でした🙏
本人にアニメガバイト手渡しできて良かった! pic.twitter.com/kzXhfy2Tk1
少し時代が飛ぶ。USAOは現在でも国内のFrenchcoreアーティストとして名高いが、初期の作風は今とやや異なるものだった。2007年からリリースされていたJ-Core Masterzシリーズに収録されたUSAO - Duel Sistersは、200BPMのキックベースの上にアニメ『みなみけ』の作中のセリフを刻んで乗せている。メロディなどがなくサンプリングのみで構成された初期Frenchcoreの影響を感じる一曲。
上記動画内の最後の曲
また2013年にbeatmaniaIIDX 21 SPADAにて配信されたMiracle 5ympho Xは、アーケードリズムゲームに初めて収録されたFrenchcoreとして有名。随所のボーカルはサンプルパックから使用されたものであるが、序盤の「お兄ちゃん」は2006年に発売されたインディーズCD『おにいちゃんCD』に収録された葉月蜜柑という声優のボイスが使われている。
Round Wave Crusherはアルゼンチン在住のSpeedcore、Hardtek、Frenchcoreを主軸とするアーティストだが、2000年代後半より現在に至るまで日本のシーンに深くかかわってきた人物だ。Beast Mode (Too dangerous) [2015]はエヴァンゲリオンの劇伴が激しいキックベースに乗せられており、当時のFrenchcoreのスタイルが反映されている。
2000年代中頃から主にマッシュアップ、ブートレグ・リミックス系のハードコアをリリースしていたMPTのBastard Pop Terroristsシリーズには、vol.13と14にスピードコアの文脈からDJ Mutante vs DJ Plague名義でそれぞれ楽曲を提供している。当時からFrenchcore周辺のアーティストとも国際的な交流があったことが伺える。
LOLISTYLE GABBERSは2011年から活動を開始した次元跳躍型高速爆音アニメティックハードコアユニット(原文ママ)だ。主にDJ Sharpnelや同年代のHardtek、Frenchcoreシーンから影響を受けている。ご注文はジェームズ・ブラウンの死ですか? [2014] はその名の通りL.A. STYLE - James Brown Is Deadとアニメ『ご注文はうさぎですか?』の主題歌とをFrenchcoreに乗せて掛け合わせている。レイヴスタブと萌えソングの高速スイッチは2000年代以降のジャパニーズ・ハードコアが作り上げてきた独自のカルチャーの結晶そのものであり、本楽曲を単なるネタモノ以上のものへと昇華させている。
上記音源内の4曲目
Dustvoxx(旧Dustboxxxx)は現在の楽曲ではシンセなどで自ら生成したサウンドを多く用いているようだが、初期の頃の作品は当時のフランスシーンから影響を受けたサンプリングを多用したスタイルのものが多い。また、2018年にリリースしたアルバムHAUNTにはThe Speed Freak - Make'Em Die Slowly (Dustvoxx Remix)が収録され、同曲でサンプリングされた楽曲のゲームなどから引用したセリフが追加されている。
DJKuraraは2011年から活動を開始し、Speedcore、Frenchcore、Breakcoreの三つを軸にしてリリースを続けている。またイギリスのAnnoying Ringtoneが提唱したDancecoreにFrenchcoreを掛け合わせた独自のDrenchcore(ドレンチコア)なるスタイルを作り上げ、作中でサンプリング、マッシュアップを多用している。同氏は海外からの評価も高く、国際的なリリースやコラボレーションもこなしている。
同氏が大事にしている作品だと語るPessimius Results EP [2019]*13
2020年には日本のインターネットレーベルLost Frog ProductionsよりFrenchcoreに特化したコンピレーションV.A. - Sludge Brigadeがリリースされている。アンダーグラウンドな楽曲も多く扱うレーベルから発表された本アルバムではサンプリングの多用が見られる。また初期の頃よりFrenchcoreを制作し続けている重鎮Exodeも参加している。
本記事におけるサンプリングの趣旨とは若干異なるが、SoundCloudを中心としたブートレグ(非公式リミックス)文化も盛んだ。主にアニソンやボカロ系の楽曲を扱ったものが多い印象。現行のオランダ系に影響を受けた、コンコンとしたパンチに特徴のあるキックや分厚いリードシンセが多く用いられている。
上記の他にも言及するべきアーティストやリリースはたくさんあるのだが、サンプリングという文脈に絞った観点から、また文章量もかなり長くなってしまったので、ここまでに留めさせていただきたい…。
4.おわりに
あとがき
とりあえず本文は以上になります。自分なりにいろいろ調査して、ちょっとでもあやしいと思った部分は断定を避けて書いたつもりですが、何か見当外れなことを書いていたら申し訳ありません。また今回は楽曲のリリースに絞って歴史を紐解いていきましたが、クラブイベントの歴史やアーティスト同士の交流も重要な史料になり得ると思います。何しろクラブミュージックの歴史はクラブで生まれるのですから…。しかしながらそのような歴史はなかなかデータとしてアーカイブされないので、当時を生きていた人々にしか知り得ないことも多いというのは残念です。
―――Frenchcoreシーンは面白い。誕生からおよそ30年のあいだ常に変化が起こり続けており、特にフランスからオランダへの大転回は遠い日本に居る我々ですら、そのダイナミズムをリアルタイムで観測することができた。これは他のハードコアのジャンルを見渡しても非常に稀有な例であるだろう。
Dr.Peacockは、自らの活動によってそれまでのFrenchcoreからスタイルを大きく変えたことに自覚的であることを自身のインタビューで語っている。しかし同時に、それは「このジャンルに進化の時が来たからだ」とFrenchcoreという音楽が持つ可能性や未来を開拓しようとする前向きな姿勢も見せている。*14また、フランスのプロデューサーMaissouilleはSefaとその爆発的な人気について「こう言うと文句を言う奴もいるだろうけど、Sefaは本当にクソほどすげぇDJだよ」と一定数の反抗勢力を意識しながらも彼を称賛する言及を行っている。*15
実際に、日本においても様々な理由をもってして近年のスタイルに非迎合的な思いがある人々が一定数存在するのも事実だ。自分にもそんな時期があったような気がする。しかし私自身今回の記事を書くにあたって改めて往年のFrenchcoreを聴き直しその変遷を整理したことで、各年代に断絶などは存在せず、むしろ全ては繋がっているという当然といえば当然の事実に気が付くことができた。この記事を読んでくれた人にもそのような体験をしてもらえればこれ以上の喜びはない。
またFrenchcoreは90年代のフリーテクノをルーツの基盤としているが、そこではテクノやハウスの33回転のレコードをあえて45回転にする早回しの文化があったという。それを踏まえてEuphoric Frenchcoreがオランダで「BPMの上がったHardstyle」としてフェスなどで受容されていたことを考えると、これはまさにオランダにおけるFrenchcoreの再発明といえるし、Euphoric Frenchcoreがサウンド以前の精神性のレベルで非常に「Frenchcore的」である気がしてくる。
最後に、本記事を書くにあたって大いに参考にさせていただいたFrenchcoreのDJとしても活動しているcannorin氏の記事を紹介して終わりたい。本記事では詳細に説明しきれなかったFrenchcoreの歴史やアーティストなどが列挙されており、執筆から5年経った現在でも日本語で読めるものの中でこれ以上にFrenchcoreに関して知ることのできるドキュメントはないように思える。筆者も当時高校生だった頃に初めて当記事を拝読し、並べられたアーティストの楽曲をひとつひとつチェックしていった。自分の中のFrenchcoreのイメージがどんどん広がっていくことにとてもワクワクしたし、あの頃は本当にこの記事が宝の地図に思えた。ぜひこちらも合わせて読んでいただきたい。
ちょっと宣伝

今年3月にRadiumを招致し日本のFrenchcore史に残るイベントとなったThe Frenchcore Connectionの第4回が10月25日に開催されます!今回は前回とは対称的にオランダから超新世代のアーティストD'ortがスペシャルゲストとして出演。国内からも本記事で取り上げたアーティストを中心に様々なスタイルのDJ達が一堂に会し、古今東西のあらゆるFrenchcoreが楽しめる一日になること間違いなし。私もFrenchcore Greed TrailersのふたりとB2Bにて出演します。今回記事で取り上げた楽曲などを中心に選曲する予定なので、当日見ていただけると嬉しいです。
【重大告知】
— Sabjekt 10/25 TFCC04 (@DjSabjekt_koto) 2025年9月8日
10/25に開催される #TFCC04 フルラインナップ公開!
長年の夢D'ort初来日を迎えるべく、全てを尽くして準備してきました、最高のDJ陣と奇跡の1日を作り上げます!
皆様のご来場心よりお待ちしております!
予約フォーム⬇️
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U20→ https://t.co/OptZaRydA4 pic.twitter.com/03OiesAr9e
本記事は以上になります。気が付いたらとんでもないボリュームになってしまいました。ここまで読んでくださった方本当にありがとうございました。フレンチコア、最高の音楽でワロタ
[S2XD-001]
執筆:Yakumo
執筆日:2025/10/18
5.参考
本文の注釈で用いたものは省いています。
・“GHz Interview20” Dustvoxx | GHz
・https://www.discogs.com/ja/label/17942-Audiogenic
・https://www.discogs.com/ja/lists/Frenchcore/480399
・Euphoric Frenchcoreについて|Sabjekt
・Interview de Micropoint (janvier 2011) - Vacarm.net
・Micropoint – Frenchcore will never die | Désinvolt
・MURDER CHANNEL - History of Japanese Hardcore Techno 『History of Japanese Hardcore Techno』発売決定|梅ヶ谷雄太
・【UPSHFT開催間近!】ハードテックについてもっと知ろう!歴史やスタイルの変革について調べてみた! | MNN
*1:閲覧注意:https://youtu.be/EbdTyMASuyo?si=j6aurJpMjV_70-p_
*2:Micropoint – Neurophonie – 2 x Vinyl (LP, Album), 1998 [r133594] | Discogsより。私もこの記事を書くにあたって該当映画を視聴したが、現在流通しているものが2004年にDVD化された際のディレクターズカット版(日本語字幕)であることから、どの部分が楽曲に使用されたかはあまりよく分からなかった…
*3:この背景にはLaurent Hôと彼のレーベルEpitethの存在があることを忘れてはならないが、今回はサンプリングミュージックとしてのFrenchcoreという観点から、ここで軽く触れるに留めておくこととする。
*4:Echanges avec Radium, pionnier du Hardcore
*5:何日かかけて原曲を特定しようと試みたのですが、これ以上の詳細を得ることができなかったので、もし分かる方がいたら連絡お待ちしてます…。
*6:‘Vive La Frenchcore!’ – Dr. Peacock talks revamping Frenchcore, psy-adventures & more! ‹ ALIVE AT NIGHT – Hard Dance Interviews, news & reviews with a twist!
*7:Dr. Peacock: Interview from Trauma: Harder Styles Tour 2016 | The HARD DATA
*8:Meet Frenchcore’s iconic boy-wonder Sefa! ‹ ALIVE AT NIGHT – Hard Dance Interviews, news & reviews with a twist!
*9:Dr. Peacock - Samples, Covers and Remixes | WhoSampled
*10:https://youtu.be/j54yGxuk0yo?si=T6qmGUw0ANMdJ9Cd
*11:https://x.com/pspkurara/status/1976262992200368369
*12:Virtual Selfが来日公演で見せた、音楽ゲーム・アニメ楽曲の先鋭的な再解釈 - Real Sound|リアルサウンド
*13:“GHz Interview48” DJKurara | GHz
*14:‘Vive La Frenchcore!’ – 同上
*15:Maissouille, Sefa & Frenchcore : Interview et nouveautés
【2024年】Yakumoの活動まとめ -DJ編-
本記事は2024年にYakumoが出演させていただきましたDJイベントやその感想をまとめたものになります。

2024年は延べ16のイベントに出演し、うち2つは自分でイベントを主催しました。ホームの箱や正式に所属しているイベントやチームがないのにも関わらず、一年を通じてパフォーマンスの機会があったのは本当に嬉しいことです。これからも私を必要としてくれる人がいる限りどこにでも飛んでいくつもりなので、今後ともよろしくお願いします。
それでは時系列順に振り返っていきます。
- 01. SDCs 3 [01-26]
- 02. DRIFT FIGHTER [02-03]
- 03. HEAVEN'S GATE [02-11]
- 04. OOOTO3 [03-23]
- 05. Virtual River vol.2 [03-24]
- 06. Domesti-Core [03-29]
- 07. RAGE BLAST vs The Frenchcore Connection [06-16]
- 08. 限界集落祭 [07-13,14]
- 09. HEAVEN'S GATE vol.2 [08-10]
- 10. TEK NOAH [08-17]
- 11. SMILE VIDEO [10-12]
- 12. ハッピーグルーヴep3 [10-20]
- 13. The Frenchcore Connection [11-10]
- 14. Assemble HARDCORE [11-23]
- 15. MITA OVER GROUND [11-22,23,24]
- 16. BUMP! [11-29]
- おわりに. 2024年の総括
- おまけ. 来年の出演予定
01. SDCs 3 [01-26]

2024年初現場は、トラックメークやDJはもちろん「現場を記録 / 再考する」がモットーの『KAMIN RADIO』や様々なDJを記録し配信するRAVE 2Dを運営するなど、多彩な活動をしているKAMINさんが主宰したイベント。ドラムンベースと○○coreがクロスオーバーするイベントということで、RaveサウンドをキーワードにBPM170付近のAmbient D'n'B, JungleからBPM200のハードコアやトランスまで持っていくDJをした。最後は自分がこの世で最も好きなドラムンベースで終えられて大変満足でした。
02. DRIFT FIGHTER [02-03]

まさかの二週連続で阿佐ヶ谷Driftでの出演。DJとVJで二人一組になってパフォーマンスをするイベントということで、僕は普段DIGITAL OFFLINEを始め様々な場面でお世話になっている奇怪電波俱楽部さんとタッグで挑戦。どのVJも持ち込む機材から映像の映えさせ方まで本当に人それぞれで、VJの映像による表現もイベントの重要な要素なのだと改めて認識した。
03. HEAVEN'S GATE [02-11]

自身初となる主催イベント、通称「天門」を幡ヶ谷Forestlimitにて開催した。イベントに込めた思いやシーンに対する分析はAVYSSに投稿した記事に書いたので、ぜひとも読んでもらえたらと思います。もともとHexD / Sextranceに特化したイベントがあればなーとはずっと思っていたのだけど、様々な出演を通じて主催のノウハウを学ぶことができた、EPのリリースが終わって金銭的、時間的な余裕ができたなどの理由が重なり「誰もやらないなら、自分で作るしかねえ!!」と一念発起。天門が日本のビットクラッシュシーンの入り口になるよう、なるべくフラットな視点での人選を心掛けた。
イベント当日は本当にたくさんの人に来てもらえて大いに盛り上がったので本当に安心したし、ビットクラッシュまだまだやれるなって思えたことがなによりも嬉しかったです。本当に忘れられない一日になりました。
今年のまとめとして当日の私のDJミックスをアップロードしたのでぜひ聴いてみてください。生で録音しているので時々みんなの歓声が入っています。
04. OOOTO3 [03-23]

いえブにて初登場したVJ suleiman.jpとのユニット「㍻インターネットやめろ流星群」がまさかの現場出演。やっぱ、J-coreってDJとVJのセットでやってなんぼなとこあるかもしれない。当日もみんなでめちゃめちゃ盛り上がれて嬉しかった。誰かと一緒にブースに立つのって本当に心強いなって思いました。
05. Virtual River vol.2 [03-24]

今年初のVR出演は関西の「鴨川レイヴ」なども企画するaaruaikaさんのイベント。荘厳かつ哀愁の漂うVRワールドにマッチしたorbcoreやtrance中心のセットで挑戦。今年やったセットの中でもかなり気に入っている。当日のアーカイブが全てYoutubeにアップロードされているのでぜひ見てください。(僕のDJは5:56:55から)
06. Domesti-Core [03-29]

2024年初参加の配信イベントは国内の同人Hardcoreを中心にリリースやイベントを行う「ドスコア」でした。Sextranceをハードコアの文脈でやるなど「Hardcore」という言葉の裾野の広さを見せるようなDJをやった。ドスコアはほぼ毎月末の金曜に配信しているのでぜひ見ましょう。
07. RAGE BLAST vs The Frenchcore Connection [06-16]

Hardstyle / Rawstyle中心のイベント「RAGE BLAST」と国内最大級のFrenchcoreオンリーイベント「The Frenchcore Connection」のコラボ回にTFCC枠で出演。やっぱFrenchcoreでガツガツ回していくDJが一番楽しいかもしれない。
普段アングラな感じの曲を出したりイベントに出たりしながらこういう本場の音楽がガッツリ流れるイベントにも呼んでもらえるのは本当にありがたいことです。私はこの日をきっかけにDual Damage最高!w The Straikerz最高!wのPVCガキになりました。
08. 限界集落祭 [07-13,14]

活動の最初期からずっとお世話になっている配信イベント「限界集落祭」に今年も参加。初期の頃とはだいぶ参加者やリスナーの趣向も変わって時の流れを感じますね。去年出演させてもらった姫路のリアルイベント「限界集落祭『現』」に今年も旅行がてら遊びに行ったので、その時全身で感じた夏っぽさをそのままアウトプットしたDJをやった。限界集落祭はサーバーに入れば誰でも参加できるので、今後もみんなでお祭りを盛り上げましょう!
09. HEAVEN'S GATE vol.2 [08-10]

二月に主催した「天門」の第二回を早くも開催。引き続き海外勢による説得力のあるパフォーマンスを見せつつも、既存の手法に捉われない「天門らしさ」を追求した。イベントのビジュアルや雰囲気作りにもこだわり、トレカ風のフライヤーだけでなくプレイマットを自作し頒布したが、これが自分の思った以上に好評で嬉しかった。
イベント直前に気象庁から南海トラフ地震臨時情報 「巨大地震注意」という初めて見る発表がなされる事件があったものの、前回以上にたくさんの人が来てくれてトラブルなく終わることができて本当に良かった。
10. TEK NOAH [08-17]

今年の夏は自身初となる野外パーティーに参加。所沢の屋外ステージで持ち込みのスピーカーから流すTeknoは至高だった。自分はもともと2019年あたりにHardtekを知ったことがきっかけで音楽そのものにのめり込んでいったので、あの頃の名盤を理想のシチュエーションで流すことができて本当に大切なものを思い出した。2025年になっても普通にBill Teklicit - Fractal [2015]の話をしたい。

11. SMILE VIDEO [10-12]

阿佐ヶ谷Driftの目玉イベントのひとつ「SMILE VIDEO」に㍻インターネットやめろ流星群がまさかの出演。もともとYakumo単体でのオファーだったのだが、主催のYONEDAさんに㍻でやらせてほしいです、と自ら申し出て快諾していただいた。本当にありがとうございました。㍻も出演回数を重ねてかなり表現の方向性が固まってきたので、自分にとっても大切なプロジェクトのひとつになりつつある。また半年に一回くらいの頻度でやりたいです。
ID:1096051(γ)一般会員ことピアノ男氏のライブは今年トップクラスに衝撃を受けたものだった。Youtubeに映像がアップロードされているのでナードコアファンは必見。
12. ハッピーグルーヴep3 [10-20]

144p氏、うそのなまえ氏のタッグが企画する阿佐ヶ谷Driftのイベント「ハッピーグルーヴ」に出演。y2k風のフライヤーに合わせてRave感を重視したセットで挑戦。ナードコアやネタモノのバックグラウンドをはっきりさせるDJを意識した。
ハッピーグルーヴは本当に物凄い頻度で開催してフィナーレに向かっていて、イベントを主催した経験のある身としては本当にすごい熱量だな、と大変感心しています。今後の動向が絶対に見逃せないイベントです!
13. The Frenchcore Connection [11-10]

年に一度のFrenchcoreの祭典に今年も出演。様々なスタイルのFrenchcoreを網羅的にかけた前回とは趣向を変えて、サンプリングミュージックとしてのFrenchcoreに焦点を当てた自分らしいセットを披露した。
イベントを通しては前回同様に古今東西あらゆるFrenchcoreがかけ倒されておりこの音楽の可能性を再確認できただけでなく、それにフロアが全力で付いて行く姿は本当に希望しかなかった。自分もそろそろHakken踊る練習しようかな…。
14. Assemble HARDCORE [11-23]

関東圏の学生DJが中心となって運営しているAssembleのハードコア回に出演。元々CIVAさんとB2Bの予定だったのだが、彼が仕事の都合で来れなくなってしまったので急遽ソロでの出演に。いつものBPM200を中心にガバやRave、tranceを織り交ぜた「自分なりのハードコア」を意識したセットで臨んだ。
Assembleはどの回もDJさんが本当に若くてこれからの活躍が楽しみな人しかいないので、このイベントもきっと五年後十年後に振り返ったらより面白いメンツになっていると思います。Assembleはこれからも定期的に開催されると思うので、ぜひ金の卵を発見しに来てください。
15. MITA OVER GROUND [11-22,23,24]

所属している大学のDJサークルが学祭に出展。怒涛の3days開催ということで自分は三日目に参戦。毎年クラブさながらの音響を学校の教室で展開するのは実にロマンがある。幼い子供や普段クラブに足を運ばない人などにも自分の好きな音楽を聴いてもらえるのは学祭ならではの魅力だと思う。
今年も音響と照明を手伝ってきたり。
— のい (@noinoi0106) 2024年12月2日
DJ卓以外全部個人所有の機材 pic.twitter.com/f8QiXajCTM
16. BUMP! [11-29]

Club Asiaに㍻インターネットやめろ流星群がまさかの出演。(本年三回目)バーフロアには自分ら含めユニットが三組も出演しており、普段以上にわちゃわちゃしてたと思う。M1 House Spiritさんの協力で小さなモニターを設置してのパフォーマンスとなった。
複数のフロアがあるイベントは周遊しながらいろんな音楽を楽しめるのでそれだけでも楽しいですね。帰り道、もうすっかり冬になった朝の渋谷でひとり冷たい空気を吸って年の瀬を実感するのでした。
作りました pic.twitter.com/t5kfPOyhxk
— ْ (@M1HouseSplit) 2024年11月29日
おわりに. 2024年の総括
今年もいろんなクラブやコミュニティの人たちに呼んでもらったりDJを見てもらえたりして本当にありがたい限りでした。また、いろんな場所で経験させてもらったノウハウを主催イベントという形で少しでも現場に還元できたことも嬉しいことでした。次回がいつになるかは未定ですが、また機会があれば積極的に開催しようと思います。
私個人のDJを振り返ると、とにかく自分がDJを通じてやりたいことがはっきりしてきた一年だったと思います。自分がアーティスト、表現者としてやりたいDJとは何かを明確にしたうえで各イベントのテーマや雰囲気に向き合ってきました。そんな自分なりのYakumo像が、DJを見てくれた誰かに刺さってくれれば幸いです。
おまけ. 来年の出演予定

2025年はいきなり配信イベントの出演があります!夏のコンピレーションに参加したご縁で、インターネットレーベルThoughostの五周年を記念する配信イベントに出演することとなりました!新年早々ヘビーなMIXを収録したのでぜひ見てもらえると嬉しいです。
イベント期間中は様々なキャンペーンを実施しているのでこちらもお見逃しなく!
Thoughost 五周年が来る!
— Thoughost (@thoughost) 2024年12月22日
お待ちかねの記念イベント!
・最初のコンピ、「KAKUSATSU SHOUJO」が、Bandcampにて限定3日間無料公開!
・デジタル版作品がBandcampのディスコグラフィー35%オフ!
・5周年記念Online Partyの開催が決定。詳細はもう少々お待ちを!
これからもよろしくお願いします! pic.twitter.com/qyQD68tA6Y
本記事は以上になります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。それではよいお年を!
【2024年】Yakumoの活動まとめ -作曲編-
本記事は2024年にYakumoがリリースした楽曲やその感想をまとめたものになります。

2024年はYakumo名義として5つの曲をリリースしたほか、自身初となるコンピレーションアルバムを企画、頒布しました。今年は本当に機会に恵まれて、M3だけでなく夏コミや博麗神社例大祭などにも参加させていただくことができました。楽曲を聴いてくださった方、私にお声がけしてくださった方、本当にありがとうございました。来年はもう少しリリースを増やしたいと思っているので、引き続き応援してもらえると嬉しいです。
それでは一曲ずつ語っていきます。
- 01. HELVETICA [#syncbreak]
- 02. 天狱 [KAKUSATSU SHOUJO 3]
- 03. Speedvibe Phantom [𝐓𝐎𝐔𝐇𝐎𝐔 𝐒𝐂𝐎𝐑𝐄 𝟐𝟎𝟎 𝐯𝐨𝐥.𝟑]
- 04. take it easy [Nodal Rhythm]
- 05. RIOT 5000GT [新しいフォルダー (10)]
- おわりに. 2024年の総括、来年の抱負
- おまけ. 今年のSpotifyマイランキング
01. HELVETICA [#syncbreak]
リリース日:M3 2024春 (2024/04/28)
ジャンル:Nerdcore
BPM:200
M3で自身初となるコンピレーションアルバム『#syncbreak』を企画、リリース。コンピのテーマに合わせて『日常』ネタのJ-coreを制作した。以前からDJ Sharpnelやロリガバっぽいスタイルのナードコアをやりたいと思っていたのでガバや声ネタのカットアップ、Raveサウンドに挑戦したが、おかげでサウンド的にもマインド的にも、その辺の知識をアップデートするいい刺激になった。
コンピはみんな素晴らしい楽曲を提出してくれたので、春M3と秋M3の再販分も全て完売という結果に終わることができました。本当にありがとうございました。
02. 天狱 [KAKUSATSU SHOUJO 3]
リリース日:C104 (2024/08/12)
ジャンル:Nightcore
BPM:190
中国のネットレーベルThoughostからリリースした190BPMのトランスナイトコア。「少女をモデルとして創作した暴力と狂気がテーマの楽曲」というオーダーを受けたので『魔法少女サイト』を引用し、ようやく自分たちの居場所を見つけたと思ったのもつかの間、少女たちはゆっくりと崩壊へと向かっていく、そんな「天獄」のような世界観をイメージして作った。

コンピの参加を機に人生で初めてコミケにも行ってきた。二時間以上炎天下の待機列に並んでとにかく暑くて仕方なかったが、日本のオタク文化の規模や多様性を再確認できるいい機会だった。
03. Speedvibe Phantom [𝐓𝐎𝐔𝐇𝐎𝐔 𝐒𝐂𝐎𝐑𝐄 𝟐𝟎𝟎 𝐯𝐨𝐥.𝟑]
リリース日:東方紅楼夢, 博麗神社秋季例大祭 (2024/10/06,20)
ジャンル:TOUHOU Arrengement
BPM:200
東方アレンジを制作しているサークルAsomosphereによる200BPM楽曲オンリーのコンピに参加。チョイスした原曲は『幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble。』ガバやオクターブを16分で上下するシンセ、キックベースなど「自分にとっての200BPM」を前面に出し、東方アレンジとJ-coreシーンの架け橋になれるような楽曲を目指した。
地味に、自分の楽曲が初めてプレスCDになった盤でもあるので嬉しい。

こちらもコンピをきっかけに人生初の例大祭に参加。今年国際展示場にはコミケとデザフェス、そしてこの例大祭と三回足を運んだが、最も印象に残ったのはこの一日だった。私が衝撃だったのは、例大祭に来ているのが私のような成人男性だけでなく、小中学生や女性の参加比率がとても多かったということだ。中には親子連れでコスプレをして参加している人もいて、本当に老若男女問わず愛されている東方Projectというコンテンツの偉大さを再確認した。ビートまりお氏の「ニコニコ ようつべ tiktok 時代も世代も飛び越える パロディ オマージュ リスペクト 天才上等クリエイト」という歌詞通りの景色が本当にそこにあった。
04. take it easy [Nodal Rhythm]
リリース日:M3 2024秋 (2024/10/27)
ジャンル:Nerdcore
BPM:200
いつもお世話になっているサークルインターネットやめないでの主催であるたこぴー氏主催のコンピレーションアルバムに参加。最近頭でっかちで考えてばかりいたので、久々に気を抜いて (take it easy) 好きなように作った曲。コンピはLANケーブルに付属する形で頒布されたようだが、まだ実物を見ることができていない。

05. RIOT 5000GT [新しいフォルダー (10)]
リリース日:2024/12/06
ジャンル:Brazilian Phonk
BPM:130
ネットレーベルLost Frog Productionのシリーズ『新しいフォルダー』の最終回に参加。過去9回の参加者の大多数が集合し、計31曲も集まっている。今年デュエマにハマり過ぎて、ついに大好きなカードの名を冠する曲を作ってしまった。元ネタに相応しい力強いクリッピングが為されたPhonkに挑戦、内なるブラジル魂が出た。年に一回くらいはこういう200BPM以外の曲も出していいかもしれない。
おわりに. 2024年の総括、来年の抱負
今年はリリースが少なかった分、様々なシーンのコンピレーションや即売会に参加することができて本当に良い刺激を貰うことができました。これは本当にありがたいことです。一方で、一年を通して締め切りとそのプレッシャーに追われていたこともあり、サウンドの研究やDTMの練習にあまり時間を割けなかったという部分もあります。(なので、12月はひたすら引きこもって作曲の練習を重ねていました)
来年はまた自分の方でもまとまったリリースがしたいと思っているので、今はそれを目標に行動しています。もちろん、諸々のお誘いは常にお待ちしているのでお気軽にご連絡してもらえると嬉しいです。
最後に、今年Yakumoの曲を聴いてくださった方、Yakumoに声をかけてくださった方、改めてありがとうございました。よければ、来年もよろしくお願いします。
おまけ. 今年のSpotifyマイランキング

RomancePlanetって日本人が話題にしているのあんまり見ないけど、tiktokとかで爆流行りしてたりするんですかね。オススメを貼っておくので、ぜひ聴いてください。今年リリースされたとは思えないオールドスクールなMVも注目です。