Yakumoの日記

Track Making / DJ | Love Sampling, Frenchcore/Hardtek, Jaycore, Funkot etc...

限界集落祭『現』 ー姫路遠征に行ってきました!ー

 この記事は2023/07/08に出演させていただいたクラブDJイベント限界集落祭『現』と、全4日間に及んだ遠征の出来事や感想をまとめた日記になります。

 

 ぜひ当日の再現mixを聴きながら読んでいただければと思います。

再現mixはこちら。新しくミックス用のアカウントを作りました↓↓↓

soundcloud.com

 

 

Ⅰ. 出演に至るまで - 限界集落祭とは?

 BPM200OVERの限界集落は、その名の通りBPMが200以上の音楽を好む者たちが集まるDiscordサーバーです。2022年の(確か)3月頃にサーバー主のλμκικαζεさんにより発足し、2023年の8月の時点で人数はなんと600人越え。もう限界集落どころじゃねえぞって感じですが、世間的に見ればマイナー音楽家の集まりなのでやっぱり限界かも。

世界一密度の高い香港のスラム街「九龍城砦」。僕の中の限界集落のイメージはこれです。

 そんな限界集落が昨年5月から定期的に開催している配信型DJイベント限界集落祭」。今回は念願の現地開催ということで、λμκικαζεさんの拠点である兵庫県姫路市で行われることになったのです。めでたい!

第1回限界集落祭のフライヤー。今見ると本当に"全員"がいてすごい。

 さて、今回イベントのお誘いをいただいたのは昨年の12月のことでした。僕は横浜に住んでいるので、まさかお話をいただけるとは夢にも思っていませんでした!嬉しさがあふれてくると同時に、プレッシャーもありました。わざわざ関東から呼んでいただけるからには、失敗はできないですよね。そして何よりも、私は出演者の中でもぶっちぎりの最年少だったので、本当にドキドキしました。普段は同世代の仲間たちといろいろやっているので、そういう意味でもアウェーな現場でした。

 そんなわけで、Yakumoは期待と不安を胸に、全4日間に及ぶ関西遠征へと向かったのでした。

 

Ⅱ. 0日目 - サンライズ出雲

 ということでついにこの日がやってきました。7月6日は木曜日、私は大学での授業を済ませた後、足早に東京駅へと向かいました。国内で唯一の寝台特急サンライズ出雲に乗るためです。

 たこぴーくんが学校帰りに合流してくれたので、一杯飲んだりしながら演者の皆様のお土産を一緒に選びました。

 午後10時、いよいよサンライズ出雲に乗り込みます!今回は寝台券が必要ない雑魚寝スペースを予約しました。実は新幹線で行くよりも安上がりだったりします。下の写真は外から見た寝台スペースなんですが、足元は左右の壁がないので隣の人がガッツリ見えちゃってますね。自分は狭いところが好きなのでそれなりに居心地は良かったです。

 ここから約12時間かけて出雲市へと向かうわけですが、この電車、めちゃくちゃ揺れます。僕はその揺れがどうも気になってほとんど寝れませんでした(泣)実は私サンライズ出雲に乗るのはこれで人生2回目なんですが、その時も同様だったのでどうやら相性が悪いようです。でも、小さい箱に収まって夜の真っ暗な線路を進んでいくのは貴重な体験で楽しかったです。シャワールームや自動販売機があったりとそれなりに快適なので、関西に行く際は一度乗ってみてはいかがでしょうか。

 

Ⅲ. 1日目 - 出雲・松江

 姫路からはそれなりに距離がありますが、折角の遠征ということで足を延ばして出雲に来ました。サンライズ出雲から降り、自由気ままな一人旅のスタートです。

 まずは駅に着くなり「やくも」のグッズをゲット。そう、ここ出雲は「やくも」の聖地でもあるのです。

八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を

 古事記に登場し、日本初の和歌とも言われる和歌が元ネタです。素敵ですね。このあと出雲のあらゆる場所で「やくも」の文字を見ることになりました。それだけで親近感が湧いてめちゃめちゃ楽しかったです。

 その後はレンタサイクルで無限に続く田んぼ道を爆走したり、巻き具合がえげつないしめ縄ソフトを食べたり、出雲大社に参拝に行ったりしました。一人旅楽しすぎワロタ。この時点で遠征に来てよかったですよねえ。

 その後はちゃんと特急やくも号にも乗りました。ずっとお前に会いたかった。

 少し移動して、松江に来ました。この日はあいにくの雨でしたが、さすが水の都と言われるだけあって雨に濡れた午後の街並みが実に風流でした。ここでは文豪小泉八雲ラフカディオ・ハーン)の記念館・旧居に赴きました。実は私小泉八雲が好きで、高校の卒業研究では八雲の作品研究で論文を書きました。Yakumoという名義も彼からとったんですよ。旧居から見る庭の眺めは本当に最高でしたね。

 残りの時間はホテルに籠って、翌日の準備や音源の最終調整の時間に当てました。出雲や松江に来るのはこれで人生3度目でしたが、何度来てもいいところだなって思います。僕は都会生まれ都会育ちで人間と人工物に囲まれて生きてきたので、島根の静かでどことなく神秘的な空気感に憧れがあるのかもしれませんね。異邦人小泉八雲がこの地に惚れ込んだのもよく分かります。そんなことを考えながら翌日の限界集落祭を楽しみにしつつ、1日目は眠りにつきました。

 

Ⅳ. 2日目 - 限界集落

 ついにこの日がやってきました。明け方6時頃、僕は大雨に見舞われながらも特急やくもに乗り込み、岡山を経由して姫路へと向かいました。駅で降りる直前までセトリの最終確認を行ったりと、とにかくやれることをギリギリまでやってました。

 姫路に着いて、炎天下の中汗をかきながら会場に向かっていると、街の騒音に紛れて何やらドゥンドゥン聞こえてきました。「おいおい、まだ会場からそれなりに距離あるぞ....?」と思いつつもさらに歩くと、やっぱり会場から漏れてくるキックの音でした。いや、低音デカすぎワロタ。それがRATSHALLの最初の印象でした。

奥の赤い建物がラッツホールのあるビル。この距離でもキックの4つ打ちがはっきり聞き取れました。

 中はかなり広い印象を受けました。関東の方にもわかるように言うなら、バーカウンターやブース裏のスペースを含めたらMOGRAの地下フロアくらいの広さでしょうか。ブースはあらゆる方向からスピーカーに囲まれていて、低音の圧を全身に受けることができます。λμκικαζεさんの持ち込んだ照明やスモークもあって、本当に良質な会場でした。地方にこれほど立派な箱はなかなかないのではないでしょうか。λμκικαζεさんのご厚意で、拙作「平成エクスプローラー EP」も置いていただきました。ありがとうございます。

 音出しと演者の顔合わせが済むと、いよいよ限界集落祭が始まりました!本当は各DJさんの感想を書いていきたいのですが、とんでもない量になってしまうので割愛させていただきます。33kさんやλμκικαζεさんの本場ハードダンスから始まり、Aquestionやexnoizさんのアーメン乱れ打ち、ハヤトムラカミさんの本格アンビエントなど、皆さん本当に多様な表現をされていて限界集落のなんでもあり感、BPM以外縛りがないからこその裾野の広さを改めて実感できました。来てくれたお客さんも喜んでそれに付いてきてくれて、終始本当に良い空気感を作れていたと思います。

  当日の様子は #限界集落祭 で確認できます!光と煙のなか、速くて激しい音楽に合わせて踊り狂う....これはまさに奇祭。

 肝心の僕はというと、実は自分の出番が終わるまでずっーと緊張しっぱなしでした。僕の前の番のスガハルさんも相当盛り上げていて、この熱を維持できるか不安でした。

 でも、ブースに立ったからには堂々と自信たっぷりにDJするって決めてます。やっぱりパフォーマンスをする人間としてうじうじしてられないなって思うので。そうすると、次第に場の流れに乗ってきて最終的には楽しくDJできるんです。今回もいざやってみると、お客さんや演者の皆さんがハチャメチャに盛り上げてくれたおかげで、僕も自分の100%を出すことができました。本当にありがとうございます。

 僕の当日のセットについても少しだけ話そうと思います。大まかにはFunkot→ナードコア→sextrance→(所謂) Japanse Hyperpop→Funkotの流れです。Spy47 - SUMMERからDJ 泉こなたらき☆すた繋ぎとか、細かく言いたいことは本当にたくさんありますが、きりがないので大事なことだけ書きます。

 まずは何よりも、夏をテーマにした選曲をしました。今年は絶対最高の夏にするって決めたので。皆さん8月の予定はもう決まりましたか?過ぎ去った7月を惜しみつつ、いよいよ本格化する夏に期待を膨らませながら聴いてもらえたら嬉しいです。

 そして、今回自分は関東を代表するつもりで姫路に来たので、東京を中心に盛り上がっている音楽やDJとしての雰囲気を重視しました。僕は特に今年5月に開催されたもっと!バビフェスと、その周辺のシーンに強い衝撃を受けたので、彼らの音楽と、彼らのパーティーに顕著なジャンルレスさを姫路に持ち込もうと思いました。なので45分のなかで展開が何度もあります。今回の僕のDJを気に入ってくださった方は、ぜひ関東のパーティーに足を運んでみてください。きっと僕よりもすごいDJやパフォーマンスをする人が何人もいます。これを機に僕らの「東京バイブス」を好きになってくれた人が少しでもいれば幸いです。

 パーティーが終わったあとは、今回演者としても参加していたハヤトムラカミさんの経営する座敷茶廊Cotenにて打ち上げを行いました。関西で初めてお会いした方のいろいろなお話が聞けて楽しかったです。が、自分はどうしても人と話すことが得意ではないので、もっとお話ししたいこともたくさんありました....。そんなコミュ障の僕でも優しく向かい入れてくれる皆さんには本当に感謝しかないです。いつかこの弱い自分を自分で認めて、少しずつでも善くなっていければいいなと思います。

 

 この日はドーミーイン姫路に泊まりました。ドーミーインはいいですよ!大きい温泉とサウナもあるし、夜食の中華そばやアイスが無料で食べられちゃいます。チェーンのビジネスホテルにしてはやや割高ですが、その分得られる満足感は半端ないです。皆さんも旅行などの際はぜひ泊まってみてくださいね。

 昼間の楽しいイベントを思い出しながら、この日は心地よい疲労と共に溶けるように眠ったのでした。

 

Ⅴ. 3日目 - 姫路市

 せっかく初めて姫路に来たので、市内を観光してから帰ります。太陽は出ていないのに、じめじめとした暑さで汗が止まらないような日でした。

 まずは姫路城は外せないですよね。λμκικαζεさんやPsyさんなど、地元の方にはなぜか不評でしたが、ここまで広いお城の観光は初めてだったので僕は結構楽しかったです。外国人観光客がとても多かったのが印象的でした。

 その後は前日の演者の方々と合流し、おいしい中華を食べた後に好古園に行きました。途中ありえないくらい強い雨に見舞われながらも、短冊に願い事を書いたりと楽しい一日を過ごしました。

 途中キッコウチクとかいう竹で盛り上がったりしてましたね。

 誰かと一緒に旅するの楽しすぎワロタ。ご飯は何でも美味しいし、都会過ぎず田舎過ぎないし、姫路は本当に良い街だと思いました。また行きたいなあ。

 「最後は名残惜しい気持ちと共に電車で自分の人生の方へ戻っていってフィニッシュです」*1

 これにて全4日間の僕の楽しい姫路遠征は終了しました。ここまで読んでくださった方、お疲れ様でした。

Ⅵ. おわりに

 僕が去年の4月頃にDJを始めたときは、まさか自分が関西に呼ばれるとは夢にも思っていませんでした。僕が今こんなにも楽しい思いをさせてもらっているのは、どれもこれも限界集落や、サーバー主のλμκικαζεさん、そして何よりも僕を輪の中に迎え入れてくれたサーバーの皆さんのおかげです。

 僕は今でも昨年の第1回限界集落祭ごろの日々をよく覚えています。sitosの兄貴が狂ったように毎晩DJしてましたよね。そんなナイスなDJを見ながらみんなでクソみたいなgif画像を送りあったりしましたよね。みんなバイブスが高すぎて限界集落祭の一週間も前からDJしっぱなしでしたよね。僕は限界集落でいろんな音楽に出会うことができたし、いろんな方と知り合うことができました。限界集落が僕を育ててくれたといっても過言ではないと思います。そんな素敵な場所に、今回少しでも恩返しができたのなら、これ以上幸せなことはないと思います。限界集落のみなさん、本当にありがとうございました。これからも限界集落を皆さんで盛り上げていければなと思います。

 

おまけ. 連れ回していたアイツの正体

 遠征に付き添ってくれていた小さな可愛いお友達。この子は一体何者なのでしょうか…?

 この子は主にYoubuteで動画を投稿している『お文具さん』に登場する「名もなき者」というキャラクターです。ちなみに抱いているオレンジのキャラクターは「ゼリーさん」。優しい言葉をかけてくれるキャラクターたちが、きっと疲れたあなたの心を癒してくれますよ。

youtu.be

 今回の記事は以上になります。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。それではまたどこかで、お疲れ様でした。